2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550474
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 敦史 (株)地崎工業, 土木技術部, 主任研究員
佐藤 京 北海道開発局土木研究所, 構造研究室, 研究員
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
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Keywords | トンネル支保 / 吹付けコンクリート / 鋼製支保 / 座屈特性 / トンネル支保設計 |
Research Abstract |
わが国のトンネル支保構造物の標準設計は、ヨーロッパの使用例等を参考に改良を加えられてきたものであり、「吹付けコンクリート」、「コンクリート覆工」、「鋼アーチ支保工(H形鋼)」等の各支保工を地山分類に応じて、適宜組み合わされて用いられているが、各支保工の役割分担まで踏み込んだ分析はなされていない。平成15年度は、「鋼アーチ支保工の有効範囲」と「吹付けコンクリートの弾性座屈」の2点に焦点を当てて検討を行った。 「鋼アーチ支保工の有効範囲」: 鋼アーチ支保間隔をL、有効支保間隔をL^*、有効係数をαとし、覆工コンクリート(円筒殻理論で定式化)及び鋼製支保(アーチ理論で定式化)の相互作用を考慮の基で検討すれば、鋼アーチ支保間隔L、有効支保間隔L^*、有効係数αの間には以下のような関係式が成立する。 L^*=αL またα及び鋼アーチ支保には以下のような性質を有する。 (1)αは、ほぼ1≧α≧0.35である。したがって、従来の支保設計において、鋼アーチ支保に期待する効果・役割は、過大である可能性が大きい。 (2)鋼アーチ支保の役割は、吹付けコンクリートが若材齢のとき、および吹付けコンクリートの厚さが小さいとき程大きい。 [吹付けコンクリートの座屈特性]: 円筒殻理論に基づく支保工特性曲線と地山を弾性体として求めた地山特性曲線を重ねて求めた支保圧q1、地山・吹付けコンクリートを平面ひずみ状態でモデル化し求めた座屈支保圧q2、および両端単純支持の円筒殻でモデル化して求めた座屈支保圧q3の関係を調べ、次のようなことが理解できた。 (1)座屈支保圧q2は、他の結果q1、q3に比して大き目の値を与える。 (2)q1、q3は共に、支保圧(座屈支保圧圧)と円周方向波数の関係は類似なものであり、値も合理的なものと判断できる。ただし、q3の算定は、鋼アーチ支保の影響は無視したものであり、この影響を考慮する必要がある。
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Research Products
(2 results)