2002 Fiscal Year Annual Research Report
径厚比100以上のコンクリート充填薄肉円形鋼管部材の中心圧縮特性
Project/Area Number |
14550481
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鬼頭 宏明 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40177879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麓 隆行 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30315981)
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Keywords | 合成構造 / コンクリート充填鋼管 / 中心圧縮載荷実 / 制限径厚比 / 中心圧縮耐力 / 破壊形式 / 局部座屈 / 拘束効果 |
Research Abstract |
土木構造物である高架橋橋脚等への適用を視野に、その経済性を鑑み、わが国の規準類での制限径厚比を越える大径厚比(薄肉)鋼管を用いたコンクリート充填円形鋼管の中心圧縮特性を実験的に検討した。設定した実験変数は径厚比とコンクリートの圧縮強度の二者を選び、その組み合わせから計12体の供試体に対し載荷実験を行った。供試体の外寸は直径300mm、全長1000mmであり、さらに具体的な実験変数としては、前者径厚比すなわち鋼管直径に対する鋼管肉厚の比は70-300の範囲設定をし、使用した鋼種(SS400相当)での制限径厚比150を超えるものを3種含んだ6種類、後者コンクリート圧縮強度が24または40MPaの2種類とした。得られた結果より、制限径厚比設定の一因である施工性、すなわち鋼管の製作、輸送ならびに架設すなわちコンクリート充填過程において適切な配慮を施せば、その中心圧縮耐力は制限径厚比を超えても、母材強度の単純累加強度を越え、充填コンクリートの鋼管による拘束効果を考慮した耐力算定値まで到達することが明らかになった。また、拘束効果の評価においては、既往の規準にて提唱される算定手法に加え、ここで計測された鋼管ひずみを用いた弾塑性応力解析を行い、耐力到達時の鋼管の応力状態を把握した上で、それに基づく算定手法を別途提示し妥当性を検証した。なお、耐力到達時の破壊形式は、鋼管端部の円環状局部座屈が先行し、その後充填コンクリートが斜め方向に滑り破壊するものであった。
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