2003 Fiscal Year Annual Research Report
隙間を考慮した地盤反力特性のモデル化と構造物-地盤系の地震応答解析への適用
Project/Area Number |
14550484
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
片田 敏行 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30147897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉手 聡 独立行政法人産業安全研究所, 建設安全グループ, 主任研究官 (10344243)
末政 直晃 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (80206383)
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Keywords | 遠心載荷実験 / 杭基礎 / 隙間 / 動的地盤反力モデル / 応答倍率 / 固有振動数 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実施計画に基づき実施した研究の実績は以下の通りである。 ◎遠心場における構造物〜杭基礎模型〜地盤模型の加振実験 平成15年度の遠心実験では、上部構造物の振動特性の違いによって、隙間の発生状況がどのように異なるかを明らかにするため、具体的な構造物として杭基礎を有するタワークレーンの振動実験を行った。タワークレーン模型には、載荷時と非載荷時を再現するため、設置した錘の位置を変えた。その加振実験によりタワークレーン〜杭基礎系が弓形に撓った形になるとき、杭頭付近に隙間が生じるとともに、杭頭の曲げモーメントが大きくなり損傷する可能性があることが明らかになった。このことは、構造物〜杭基礎〜地盤系において、杭頭付近の応答が大きくなる「2次モード」的な変形を取らないように設計することが肝要であることを示唆している。 ◎数値解析による構造物〜杭基礎模型〜地盤模型の動特性の解明 タワークレーン〜杭基礎〜地盤系をバネ・質点系でモデル化して応答解析を行った。地盤に関して線型モデルを用い、また杭〜地盤を繋ぐ地盤反力バネも線形として解析を行った。このような、線形応答解析の範囲でも遠心模型実験で示された応答特性がほぼ再現された。しかし、地震時に構造物〜杭基礎〜地盤系が「2次モード」的な応答を示すときに杭頭が破壊するかどうかの最終判断は、地盤や地盤反力特性が非線形を考慮した解析を待つ必要がある。 ◎杭要素の載荷実験 平成15年度は砂地盤模型を用いた載荷実験を行った。その実験結果(相対変位〜地盤反力関係)は粘性土地盤の場合と同様に支持力曲面を用いて説明できること明らかになった。さらに、その結果をもとに弾塑性モデルで定式化を行い、そのモデルを用いた数値解析より、このモデルが十分な精度で杭要素の相対変位〜地盤反力関係相対変位〜地盤反力関係を説明することが明らかにできた。 以上、総括すると遠心模型実験で杭基礎が破壊すると思われる振動モードが明らかになり、数値解析でもその可能性が大きいことが分かった。さらに、杭要素試験の結果より砂地盤における杭要素の相対変位〜地盤反力関係が定式化された。今後の課題としては、定式化された非線形地盤反力特性を考慮した応答解析と、その解析結果に基づく地震時杭頭破壊の可能性の評価が残されている。
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