2002 Fiscal Year Annual Research Report
洪水による河道内樹林地の撹乱とその規模評価に関する研究
Project/Area Number |
14550508
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (70178995)
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Keywords | 河道内樹林化 / 洪水撹乱 / 樹木の破壊・撹乱 / 礫床河川 / ハリエンジュ / 平面流解析 |
Research Abstract |
本年度は,主として,洪水によるハリエンジュ樹林地の撹乱状況の詳細調査および撹乱の物理機構の解明について検討した.得られた知見は以下のようである. 樹林地の撹乱・破壊形式は,洪水の痕跡調査から,a)樹林地上流端および樹林地境界での流下物捕捉(遮蔽面積増加)による樹木の破壊 b)樹林地基盤層(細粒砂層)の河床撹乱によって生じる樹木の撹乱 c)低水路砂礫河岸の侵食とそれに伴う樹木流失 のそれぞれが素過程として抽出された. これらの破壊形式が生まれた発生箇所を,河道の平面形状,砂州と低水路の位置関係,州内における樹林地の配置関係から整理し,破壊・撹乱形式の仕分けを示すマップを作成した. また,流下物捕捉(遮蔽面積増加)による樹木の破壊・撹乱については,流下物遮蔽面積を実測し,樹木降伏モーメントを基準にして破壊の有無を判定した. さらに,樹林地撹乱規模を(1)樹木の流失,(2)倒木,(3)根付き倒木,傾斜,(4)直立,の4つからクラス分けし,これらと発生箇所との関係も求めた. これら痕跡調査から得られた樹林地の破壊・撹乱の空間分布について,すでに開発した樹林地の形状抵抗を取り入れた一般化座標系平面流計算および平面河床変動計算を適用して,冠水深,流速,掃流力,移動限界礫径,河床変動(基盤の上昇・低下,河岸侵食域の予測),樹木にかかる流体力(流下物による遮蔽面積増分を考慮)等の水理量を求め,対応関係を求めた. こうした検討から,河道内樹林地の周辺の破壊・撹乱形式の仕分けがその規模を含めて評価できた.
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