2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国地方災害時の豪雨特性とレーダー雨量に基づく土砂災害発生のリアルタイム予測
Project/Area Number |
14550513
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邊 明英 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00240474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 捷二 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30016472)
|
Keywords | 1999年広島土砂災害 / 豪雨 / 危険度予測 / レーダー雨量計 / GPV / 数値解析 / 寒冷前線 / 気象モデル |
Research Abstract |
本年度は,1999年6月災害時のGPVデータを力学的な方程式に基づいて時間的に補間して,災害時の気象状況の解析を行った. 昨年度は,1999年豪雨の特性をレーダー雨量情報と共にGMS,GPVによる気象データから検討している.本年度は,MRIGC M-1のモデルに基づいて中国・四国・九州域の風場を表す気象モデルの作成と検証を行った.500hPa面を上部の境界として与えたが,境界条件を9時,12時,15時から補間して与えると収支のバランスが取れないため,圧力場にスポンジ項を入れて収支の時間変動を吸収させた. GPVの9時,12時,15時を与条件として解析データを得た結果,12時から15時にかけて九州と四国の間の豊後水道上空に集中して広島方面に向かう風が生じており,多くの水蒸気をもたらしていたこと,15時以降では風向きが呉方面に向かうように変化していることなどが明確に示された. 1999年6月時のGPVデータに関しては,昨年度の検討から実現象とは時間的もしくは空間的にずれていた.今回,力学的に時間補間したデータを用いて,風場の収束域と雨域の比較を行った結果,必ずしも同時刻,同位置で現地の結果を再現しているとは言えず,1時間前後もしくは数10km程度以上のズレがあるように見えた. また,風場は地形の影響を大きく受けており,風の吹き抜け収束や山地斜面による上昇風の発生などが豪雨の発生に関与したと考えられた.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 渡邊明英: "1999年6月広島土砂災害時における豪雨の特性とレーダー雨量情報の意義"自然災害科学. 66.Vol.22. 167-186 (2003)
-
[Publications] 渡邊明英: "1999年6月広島災害をもたらした前線位置と豪雨の関係"水工学論文集. 第47巻. 67-72 (2003)
-
[Publications] 後藤勝洋: "災害をもたらした気象と雨の解析"平成14年度土木学会中国支部研究発表会概要集. 105-106 (2002)
-
[Publications] 渡邊明英: "レーダー雨量データを用いた広島県の豪雨解析"水工学論文集. 第46巻. 43-48 (2002)