2002 Fiscal Year Annual Research Report
リアルオプション法による航空規制緩和下の地域航空サービス導入評価
Project/Area Number |
14550521
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 亨 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80163690)
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Keywords | 航空 / 規制緩和 / リアルオプション / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本年度の研究実績は次の3つから成る。(1)規制緩和による航空サービスと航空ネットワークの変化について、欧米の先進事例と1986年から2000年までのわが国の事例から地域航空の適用分野を検討した。(2)マクロな視点から、わが国特有の空港容量制約や運行機材の特異性(中小型機材運行が普及していない)の状況下で、規制緩和が国民の社会的厚生にどのように影響するかを分析した。(3)ミクロな視点から、地域航空サービス導入のための評価モデルの基礎を構築した。 具体的には、(1)について、1986年の規制緩和が始まる前の1980年から1999年までの20年分の航空輸送統計・航空動態調査データと経済社会統計を用いて行った。特に、運賃や運行頻度、航空ネットワーク構成の変化と航空需要との関連分析を行い、欧米との比較からわが国における地域航空の適用分野を抽出できた。(2)について、旅行費用関数と航空需要関数から消費者余剰を算出するもので、運賃モデル、需要モデル、アクセシビリティモデルとイールド実測データを用いて行った。この分析により、わが国において規制緩和が進展・定着するまでの将来シナリオを、運賃・運行頻度・航空ネットワーク構成の変化と航空需要との関係からまとめるとともに、地域航空の適用分野における導入シナリオを作成した。留意点は、新幹線・高速道路などの代替交通との関係であった。(3)について、リアルオプション法のコンピュータアルゴリズム作成を行なった。確率過程をコントロールする問題として、最適条件を求める方法に遺伝的アルゴリズムを用いた点が特長である。遺伝的アルゴリズムは繰り返し計算を基本とするため、計算時間が掛かるが、本研究補助金で購入したワークステイション一式(設備備品)は、計算速度が速く研究を進める上で役立っており、次年度の実計算においてより本領を発揮できるものと期待できる。
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Research Products
(1 results)