2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550523
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 孝行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20232754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 大輔 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70334539)
三木 千壽 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016645)
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Keywords | インフラストラクチャー / 資産管理 / 確率的動的計画法 / ベルマン方程式 / バランスシート / マルコフ連鎖 / 交通需要 / 疲労劣化 |
Research Abstract |
厳しい財政制約を背景として,今後はインフラストラクチャーへ新規投資は量的に拡大せず,同時に既存ストックの維持・更新に対するニーズが大きく顕在化する.適切な維持・更新は,インフラを取り巻く諸条件とインフラの状態を確率過程として捉え,その長期にわたる経済価値を最大にするように計画されなければならない.すなわち,インフラを社会的な資産と捉え,その価値を最大化するための手法として最適化しなければならない.本研究はこの問題を確率的動的計画法の立場からの資産管理方法と捉えてそれを開発すること試みている. 本年度は,確率的動的計画法とそれに関連する動的最適化手法について体系的なサーベイを行い,本研究の目的から見た手法の整理を行った.そして,それらを踏まえてマルコフ連鎖に従って劣化するインフラの補修・更新問題をベルマン方程式によって解く手法を開発して例題への適用を行った.また,ベルマン方程式と整合的にインフラの資産価値を会計情報(バランスシート)として表現するための手順についても基本的な考え方をとりまとめた. 以上と並行的に,インフラの疲労劣化に関する主要因である交通需要の予測方法についても現在の手法が抱えている課題を整理し,特に今後の経済社会変化に従って需要を左右するいくつかの要因について新たなモデリングの方法を検討した.また,インフラの構造とその経済コストの関係についても鋼構造物を例とした検討を行った. これらの本年度の成果を踏まえて,次年度はさらに手法を体系化するとともに,より実際的なデータを用いたケーススタディに取り組んでいく予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上田孝行: "代表的な維持更新戦略とその費用便益分析における意義"ARSC年次学術講演会報告資料. (2002)
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[Publications] 木本由花, 上田孝行: "確率過程に着目した道路橋の維持・更新"土木学会第57回年次学術講演会・概要集. (CD-R). (2002)
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[Publications] 野上圭介, 上田孝行: "公的会計によるプロジェクト・マネジメント"土木学会第57回年次学術講演会・概要集. (CD-R). (2002)
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[Publications] 福田大輔, 上野博義, 森地茂: "選択行動モデルへの社会的相互作用の導入可能性"土木計画学研究・講演集. 25(CD-R). (2002)
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[Publications] 福田大輔, 森地茂: "交通行動モデルヘの社会的相互作用の導入可能性:研究展望"東京工業大学土木工学科研究報告. 66. 29-40 (2002)
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[Publications] 小西拓洋, 富澤雅之, 三木千壽: "FEMと数値最適化に基づいた鋼橋コスト最小化設計の試み"土木学会論文集. 717・61. 23-36 (2002)