降積雪時における横断歩行環境と交差点の改善方策に関する研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550527
• Research Institution: University of Fukui
• Principal Investigator: 本多 義明 福井大学, 工学部, 教授 (40023197)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 寺内 義典 国士舘大学, 工学部, 専任講師 (00338295) ; 川本 義海 福井大学, 工学部, 助手 (20334807) ; 野嶋 慎二 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70303360)
• Keywords: 交通安全 / 横断歩行環境 / 降積雪 / 交差点 / 高齢者

Research Abstract

「1.都市内における歩行困難状況と対策の把握」では横断歩行に関する既往研究について文献調査した。その結果、高齢者の横断歩行については、歩行速度に着目したもの、横断挙動特性に着目したものなどがあり、それぞれ成果を上げている。その一方で降積雪時における歩行環境の悪化に関する研究は行われているものの、寒冷地のツルツル路面への対策が多くなっている。福井のような比較的温暖な降積雪地域では、雪質の違いから路面状況や改善方策も一般寒冷地とは異なることが推察される。したがって本研究により、今後、さらなる調査・研究が必要と考える。
「2.交差点交通事故データベースの作成と分析」では、福井市内の主要な71交差点において5年間に発生した人身事故を対象にデータベースを作成し、事故の傾向を分析した。当事者別集計や事故類型別集計の結果から、都心周辺の交差点に比べ都心部の交差点において横断歩行中の対人事故の占める割合が高く、降積雪時にはさらに増加することが明らかとなった。以上より、冬期の都心部における歩行環境の安全性の低下が確認された。
「3.横断に関する歩行者の意識と実態の調査」では、まちなかに位置し事故データベース分析でも事故多発交差点であった大名町交差点を対象とした。まず調査1として降積雪時のビデオ撮影による横断歩行者と左折車の調査を3時間×5日間で15時間行った。次年度は左折車の歩行者回避挙動と交通容量の低下を把握する。次に調査2としてドライバーを対象とした意識調査から横断歩行の問題箇所意識を把握した。今後、歩行者を対象とした意識調査を行い、ドライバーとの意識のギャップを探る予定である。最後に調査3として位置情報サービスを用いた歩行者追跡調査を実施した。この調査では当初予定していた歩行速度低下の状況を把握することが困難であったため、次年度にビデオ調査や追跡調査を用いて結果の補完をし、降積雪による外出行動・歩行特性の把握に結び付ける予定である。