2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度浄水処理における臭素酸生成シミュレーションモデル開発に関する研究
Project/Area Number |
14550547
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Research Institution | Tokai Uiveisity |
Principal Investigator |
茂庭 竹生 東海大学, 工学部, 教授 (30056163)
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Keywords | オゾン処理 / 促進酸化処理 / 臭素酸 / シミュレーションモデル / 高度浄水処理 / 副生成物 / SBHモデル / 拡張SBHモデル |
Research Abstract |
浄水処理のオゾン処理副生成物である臭素酸は、発ガン性が指摘されており、平成16年4月からは0.01mg/Lの水道水水質基準が新設された。そのため、既存のオゾン処理施設はもとより新設を計画しているところを含めて、その生成抑制が急務の課題となっている。本研究の目的は、水道原水中の臭化物イオンがオゾン処理あるいは促進酸化処理においてどのような過程を経て臭素酸に酸化されていくのかを明らかにし、その生成過程のシミュレーションモデルを構築することにある。 モデルは著者らが開発したオゾンの自己分解モデルである拡張SBHモデルをベースとし、臭素酸生成に関する素反応を加え構築した。検証実験は純水中に臭化ナトリウムを加えたものを原水として、オゾン酸化で臭素酸を生成した。その結果、臭化物イオンがオゾンにより臭素酸にまで酸化される経路は3経路存在し、その過程に溶存オゾンおよびヒドロキシラジカルが大きく関与していることが明らかとなった。このモデルはオゾン単独処理には比較的よい整合性を示すが、ヒドロキシラジカルの生成が盛んな促進酸化処理であるオゾン/過酸化水素処理では、必ずしもよい一致性が得られなかった。本モデルに組み込んだ素反応及び反応速度定数は既往の文献より引用したが、ラジカル反応に関してはその整理が不十分であり、まだ未知の反応が関係している可能性がある。また、過酸化水素の酸化反応や次亜臭素酸に対する還元反応が十分に再現されていないことも一因として考えられるため、今後は次亜臭素酸の還元に関する反応にさらに検討を加え、モデルを修正する必要がある。そのためモデルの更なるチェーンアップが必要であるが、本研究ではモデルの修正を行うとともに、実際の反応槽に適用できるよう連続式のモデルに発展させ、できる限りパソコンレベルで解が求まるモデルの構築を目指し、モデル開発を行った。
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Research Products
(6 results)