2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550549
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 重光 麻布大学, 環境保健学部・水環境学研究室, 講師 (50318888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 強 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (50005493)
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Keywords | ベータ線 / クリプトスポリジウム / 不活化 / 動物感染性 / 生育活性 |
Research Abstract |
【ベータ線の不活化力】 クリプトスポリジウムの感染性を2 log_<10>減少させる線量をマウス感染性で評価したところ,ガンマ線が94Gy,ベータ線が92Gyとほぼ同一であった。また,生育活性(脱嚢性で評価)を2 log_<10>減少させる線量も,ガンマ線が13,000Gy,ベータ線が12,000Gyとほぼ同一となった。大腸菌を用いた不活化試験の結果から,ベータ線の不活化力はガンマ線の約1/2であると考えられていたが,クリプトスポリジウムに対しては同等の不活化力を示すことが明らかとなった。本研究で得られたベータ線のクリプトスポリジウム不活化力から,10MeV加速器(電子流30mA)で汚泥ケーキ(比重1.5,厚さ20mm)中のクリプトスポリジウムの感染力および生育活性を4 log_<10>減少させる線量を照射する場合,処理能力はそれぞれ110,000t/日および600t/日と試算された。 【ベータ線の不活化力に及ぼす被照射物の含水率の影響】 被照射物中の水分子と放射線が反応して生成される無機ラジカルをスキャベンジャーで除去した系の不活化log_<10>数は,ラジカルスキャベンジャーを添加しない系の不活化log_<10>数と比べて35%小さかった。この結果は,放射線によるクリプトスポリジウムの不活化は主として直接効果で発現するが,水分子由来の無機ラジカルによる間接効果も不活化に関与することを示唆している。 【ベータ線の不活化力に及ぼす被照射物の含水率の影響】 加速電圧3MeVで電子流を0.31〜0.41mAに変化させて120〜180Gyのベータ線をクリプトスポリジウムに照射し,不活化力をマウス感染性で評価した。その結果,不活化直線の回帰係数はr=0.99となり,線量率依存性が実質上無いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)