2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550549
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 重光 麻布大学, 環境保健学部・水環境学研究室, 講師 (50318888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 強 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (50005493)
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Keywords | ベータ線 / クリプトスポリジウム / 不活化 / 感染性 / 汚泥 |
Research Abstract |
【ベータ線の汚泥中における半価層】 厚さの異なる下水汚泥ブロックの底面にGafChromic線量計を設置し,上部から3MVのベータ線を照射して実下水汚泥中におけるベータ線の半価層を求めた。その結果,汚泥表面の吸収線量を58.0kGyとした場合,厚さ4mmの汚泥の底面で75.5kGy,8mmで80.0kGy,12mmで1.50kGyとなり,半価層は11mmとなった。また,この結果から6MVおよび10MVの電子線の下水汚泥中における半価層は,それぞれ23mmおよび40mmであると計算された。 【ベータ線の不活化力に及ぼす汚泥の影響】 リン酸塩緩衝液,生汚泥,脱水汚泥,汚泥抽出液に大腸菌またはクリプトスポリジウムを均一に懸濁させてからベータ線を照射し,不活化に及ぼす汚泥の影響を大腸菌についてはコロニー形成能で,クリプトスポリジウムについては動物感染性で評価した。その結果,大腸菌については汚泥中の水溶性成分による保護効果が認められた。しかし,クリプトスポリジウムに関してはリン酸塩緩衝液,生汚泥,脱水汚泥,汚泥抽出液中の2log不活化吸収線量は,それぞれ105Gy,109Gy,114Gy,100Gyと差がなく,汚泥の影響は認められなかった。 【ベータ線照射オーシストの修復の有無】 100Gyのベータ線を照射した後,光回復処理では照射線量率0.10mW/cm^2の白色蛍光灯光線を20℃に維持しながら1〜2時間照射した。また,暗回復処理では20℃の暗所に24時間静置した。感染性をマウス感染試験で評価したところ,紫外線照射直後の不活化力は2.2log,光回復処理後の不活化力も暗回復処理後の不活化力も2.2logとなり,回復は認められなかった。DNAレベルの回復に関する実験は現在進行中である。
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