2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550549
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 重光 麻布大学, 環境保健学部・水環境学研究室, 講師 (50318888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 強 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (50005493)
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Keywords | ベータ線 / クリプトスポリジウム / 不活化 / 感染性 / 汚泥 |
Research Abstract |
1.ベータ線照射オーシストの修復の有無の評価 DNA上に形成される一本鎖切断数および二本鎖切断数のいずれも吸収線量が増加するに従って直線的に増加した。一本鎖切断数と二本鎖切断数との比は8:1となり,E. coliで実験したときの9:1とほぼ同じであった。エネルギーの低いβ線やX線,放射線照射で生じるラジカルは,その飛程(寿命)が短いためDNAの一方の鎖は切断できるが相対するポリヌクレオチド鎖を同時に切断することはできず,生成される二本鎖切断の数は少ないと考えられている。しかし,約1MeVのγ線を照射した場合は一本鎖切断数の約1/8の割合で二本鎖切断が生成されることが明らかとなった。 回復処理後の一本鎖切断数および二本鎖切断数と回復時間との関係を図2に示す。二本鎖切断は修復しなかったが,一本鎖切断はγ線照射後に速やかに修復し,照射24時間後までに吸収線量にかかわらず一定数まで修復した。 これまでの実験結果から,100Gyのγ線を照射したC. parvumの感染性は回復しないことをマウス感染試験で確認している。動物感染性が回復しない理由として,修復できない鎖切断が関与しているものと考えられる。 2.ベータ線照射条件の設定 厚さの異なる汚泥の底面にGafChromic線量計を配置し,上部からベータ線を照射して,汚泥厚さと透過線量との関係を回帰計算した。汚泥と同じジオメトリに調製したFricke鉄線量計の結果と比較したところ,両者はほぼ一致した。また,汚泥の表面における吸収線量からクリプトスポリジウムオーシストの相対感染力を回帰計算し,動物感染試験の結果と比較したところ,両者は良く一致した。したがって,汚泥中のクリプトスポリジウムオーシストの電子線による不活化力は,電子線の吸収線量分布から求めることができると言える。
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Research Products
(4 results)