2002 Fiscal Year Annual Research Report
地震動をパラメータとした簡易振動実験手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
14550557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
境 有紀 東京大学, 地震研究所, 助手 (10235129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 恒 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70324473)
真田 靖士 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80334358)
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Keywords | 振動実験 / 地震動 / 鉄筋コンクリート / スケール効果 / 復元力特性 / 等価周期 |
Research Abstract |
まず鉄筋コンクリート部材のように降伏までに徐々に剛性が低下し、降伏後に履歴ループを描く単一材料を合成樹脂系のものから探したが,残念ながら見つけることができなかった.そこで,補強繊維に横補強筋の役割をもたせ,繊維補強コンクリートを用いて鉄筋コンクリート造を模擬する試験体を作製することにした. 試験体は,型枠に端部の鉄板および主筋を配し,繊維補強コンクリートを打つだけなのでその数が35体であるにもかかわらず,非常に簡易に作成することができる.主筋に様々な加工をし,様々な鉄筋コンクリートの復元力特性を再現できるかどうかが課題となる.今年度は,スリップの再現を主たる目的とした. 試験体のパラメタとしては,主筋にネジ鋼を使用した場合をプロトタイプとし,ストローを被せて付着を低減,あるいは丸鋼を用いた場合にスリップ状の復元力特性が得られるか,試験体端部鉄板の内部のネジ切り加工が必要かである.振動実験は1本柱とし,柱頭柱脚の水平面を維持するための建研式の加力治具を作成した. 本来の実験予定は9月であったが,振動台が故障修理というアクシデントが生じてしまい,実験実施が2月にずれ込んだが,何とか今年度中に行うことができた.実験は,最初は端部が鉄板1枚では,充分な剛性が得られなかったが,端部を補強することにより,本作成方法による簡易試験体においても,充分に鉄筋コンクリート造を模擬する復元力特性が得られた.付着を低減した試験体は,期待通りスリップが生じ,そのような加工によって想定する復元力特性を再現できることがわかった.ただし,端部鉄板内部のネジ切り加工の有無については,ネジ切り加工がないと主筋が抜け出してしまった.端部鉄板内部のネジ切り加工は,やや手間がかかるため,試験体製作の簡易性を勘案すると,この部分の施工をどうするかが課題となった.
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