2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550560
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小河 利行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20126270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正岡 典夫 巴コーポレーション, 技術部・部長
木村 祥裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60280997)
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Keywords | 単層ラチスシェル / 形状最適化 / 線形座屈荷重 / 部材長一様化 / 応答スペクトル解析 / 地震応答性状 / 時刻歴弾塑性応答解析 / 動的座屈性状 |
Research Abstract |
本研究は,ドーム形状のみでなく任意曲面を有する単層ラチスシェルの保有耐力の関わる資料を更に蓄積することを目的として計画された。平成15年度の研究実績の概要を以下に示す。 平成14年度においてベジエ曲面により記述される単層ラチスシェルを対象として,線形座屈荷重およびコンプライアンスを目的関数とした形状最適化を行った。今年度は,線形座屈荷重最大化および部材長一様化を目的とし,単層ラチスシェルの形状最適化を行った。その結果,最適化を数段階に分け,部材をグルーピングしながら部材長さを一様化することによって,線形座屈荷重を考慮しながらも,部材種類の少ない形状を得ることができた。また,最適形状は軸力抵抗型の構造となるものの,初期形状と最適形状の形状初期不整に対する敏感度には,ほとんど違いは認められなかった。以上の最適形状では,ベジエ曲面を用いることによりスムーズな形状を得ることができた。 また,ドーム形状の単層ラチスシェルを対象として,地震応答性状または動的座屈性状の検討を行った。地震応答性状の分析においては,解析方法として応答スペクトル解析の完全二次結合(CQC)を用い,水平地震動を受ける場合の応答加速度評価を行い,水平応答加速度はドーム半開角の増加に伴い大きくなるという結論を得た。ここでの応答加速度評価より,ドームの静的地震力作成の可能性を見い出した。動的座屈性状の検討においては,入力波形としてステップ波を採用し,幾何学的非線形を考慮した時刻歴弾塑性応答解析により,ドームの半開角またはステップ波の入力方向の違いが動的座屈性状に与える影響について分析した。さらに,動的座屈発生に関与する入力またはひずみエネルギー量および動的座屈荷重の評価を行い,ひずみエネルギー量は,入力方向に関わらずドーム半開角毎にほぼ同程度の値となるという結論を得た。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 上山健太郎, 小河利行, 木村祥裕, 岡本哲美, 山下哲郎, 紺野裕之: "偏心補剛されたH形鋼圧縮部材の曲げ座屈性状に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 577-578 (2003)
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[Publications] 熊谷知彦, 小河利行: "鉛直および水平方向ステップ波を受ける剛接合単層ラチスドームの動的座屈性状"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 775-776 (2003)
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[Publications] 西川雄太, 小河利行, 大崎純, 立石理恵: "線形座屈荷重最大化と部材長一様化を目的とした単層ラチスシェルの形状最適化-その1 形状最適化問題の定式化-"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 777-778 (2003)
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[Publications] 立石理恵, 小河利行, 大崎純: "線形座屈荷重最大化と部材長一様化を目的とした単層ラチスシェルの形状最適化-その2 形状最適化例とその有効性の検証-"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 779-780 (2003)
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[Publications] 中間明子, 小河利行, 竹内徹, 熊谷知彦, 中川美香: "水平地震動を受ける単層ラチスドームの応答加速度評価"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 795-796 (2003)
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[Publications] 山形智香, 小河利行, 竹内徹, 熊谷知彦, 中川美香: "履歴型制振ブレースを有する立体トラス架構の地震応答性状"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). B-1分冊. 807-808 (2003)
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[Publications] T.Ogawa, T.Takeuchi, M.Nakagawa, T.Kumagai: "Seismic Response Analysis of Single Layer Lattice Domes with Substructure"International Symposium on New Perspectives for Shell and Spatial Structures(IASS-APCS2003). (CD-ROM). 1-8 (2003)
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[Publications] T.Kumagai, T.Ogawa: "Dynamic Buckling Behavior of Single Layer Lattice Domes Subjected to Horizontal Step Wave"International Symposium on New Perspectives for Shell and Spatial Structures(IASS-APCS2003). (CD-ROM). 1-8 (2003)
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[Publications] 小河利行, 大崎純, 立石理恵: "線形座屈荷重最大化と部材長一様化を目的とした単層ラチスシェルの形状最適化"日本建築学会構造系論文集. 第570号. 129-136 (2003)
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[Publications] 木村祥裕, 小河利行: "偏心補剛されたH形鋼圧縮部材の座屈荷重と必要補剛剛性"日本建築学会構造系論文集. 第574号. 213-218 (2003)
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[Publications] 小河利行, 中川美香, 熊谷知彦: "応答スペクトル解析法を用いた剛接合単層ラチスドームの地震応答解析"構造工学論文集. Vol.49B. 291-296 (2003)
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[Publications] 小河利行, 熊谷知彦: "水平方向ステップ波を受ける剛接合単層ラチスドームの動的座屈性状"構造工学論文集. Vol.49B. 297-302 (2003)
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[Publications] 黒岩義彦, 木村祥裕, 正岡典夫, 小河利行, 加藤史郎: "単層トラス架構の接合継手簡略化に関する研究-捩り加工を施したH形鋼部材-"鋼構造論文集. 第10巻第38号. 51-60 (2003)