2002 Fiscal Year Annual Research Report
拘束高強度鉄筋コンクリート造骨組みの繰り返し性状に関する実験的研究
Project/Area Number |
14550572
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孫 玉平 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (00243915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺 純一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (30215587)
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Keywords | 高強度コンクリート / 拘束コンクリート柱 / 骨組み構造 / 梁降伏先行破壊 / 拘束コンクリート / 鋼管拘束 / 繰り返し履歴挙動 / 終局耐力 |
Research Abstract |
3種類の幅厚比(35-86)を有する正方形鋼管により横拘束された高強度コンクリート(RC)柱と通常の帯筋により拘束されたRC梁により構成された合成骨組み試験体について、一定軸力下における繰り返し曲げせん断実験を行い、骨組みの柱材における横拘束材の鋼材量と軸力の大きさの組み合わせが、高強度RC骨組みの繰り返し耐震挙動に及ぼす影響について調べた。 その結果、以下の結論が得られた。 1)FC=80MPa級の高強度コンクリートを用いた高強度RC骨組みの柱を、内スチフナーで補強された、幅厚比83程度の薄肉鋼管で拘束すれば、軸力比0.3の中レベルの軸力下においては、骨組みに非常に安定した繰り返し履歴挙動を確保することができる。また、軸力比0.5と高い軸力を受ける場合、幅厚比46の角形鋼管を用いて柱を拘束すれば、層間変位角0.04radまで骨組みは耐力低下が小さく極めて安定した履歴挙動を有する。 2)骨組み構造の柱材における、補強材の必要量は骨組みの破壊形式に強く依存する。梁降伏先行型の破壊パタンを示した骨組みの実験結果により、骨組みの水平耐力および耐力後の変形挙動は基本的に梁のそれらに支配されるので、柱材の横補強材量(鋼管の幅厚比)が大きく変化しても、骨組み全体の履歴性能に大きな変化が見られない。 3)鋼管拘束柱材および通常帯筋拘束梁の終局曲げ耐力を崎野・孫らによる算定式を用いれば、鋼管により横拘束された柱を用いた合成骨組みの破壊形式の予想は可能である。すなわち、研究代表者は提案した設計式に基づけば、拘束高強度RC骨組みの破壊形式の設計段階での予測が可能であり、また合成骨組みの最大水平耐力などをも比較精度よく算定することができる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田中慎吾, 孫玉平, 崎野健治, 福原武史, 松尾英典: "高強度RCフレームの耐震性能に関する実験的研究 その1 実験概要と主な実験結果"日本建築学会九州支部研究報告集. 第44号. 235-238 (2003)
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[Publications] 福原武史, 孫玉平, 崎野健治, 田中慎吾, 松尾英典: "高強度RCフレームの耐震性能に関する実験的研究 その2 実験結果の考察"日本建築学会九州支部研究報告集. 第44号. 239-242 (2003)