2002 Fiscal Year Annual Research Report
制振ブレース架構に用いられる膨張コンクリート充填鋼管ブレース材の開発
Project/Area Number |
14550584
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大田 和彦 近畿大学, 工学部, 助教授 (70203784)
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Keywords | ブレース / コンクリート充填鋼管材 / 膨張コンクリート / ケミカルプレストレス / 繰り返し加力実験 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に基づいて下記の研究を行った。 1)膨張コンクリートの調合法と鋼管内膨張コンクリートの力学特性に関する研究 これまで極めて単位水量の少ない一般的でないコンクリートを主に扱ってきたが、経済性のことを考えて、水結合材比30%程度でも、ワーカビリティーを維持しながら、膨張特性と強度特性の両方ともに優れた膨張コンクリートの調合法を見いだすための実験を行った。その結果、水結合材比25%、膨張材置換率50%以上にすれば良いことがわかった。また、平鋼を挿入しない場合の本鋼管材の拘束鋼管降伏時の膨張圧予測式を提案した。次年度では平鋼を挿入した場合の予測式を確立していきたいと考えている。 一方、鋼管内膨張コンクリートのこれまでの研究成果と比較検討を行って、このようなコンクリートの圧縮時の力学モデルを構築した。 2)平鋼を挿入した膨張コンクリート充填鋼管材の引張・圧縮繰り返し加力実験 本年度は、平鋼とコンクリートとの界面での付着影響のない本鋼管材材軸中央部付近の鋼管とコンクリートの引張・圧縮時の繰り返し特性を明らかにするために、水結合材比20%で膨張材置換率60%のコンクリートを用いて実験を実施したが、加力装置の不備から圧縮時に試験体端部の平鋼のみの部分が座屈してしまった。しかし、繰り返し荷重を受けても本鋼管材は高引張力時に極めて高い性能を有することを実証した。次年度は、座屈防止装置を取り付けて、本鋼管材は繰り返し荷重を受けても、高圧縮力時も極めて高い性能を有することを実証していく予定である。また、1)の研究の延長線上にもなるが、拘束鋼管や内部コンクリートの繰り返し時の力学モデルを構築していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)