2004 Fiscal Year Annual Research Report
公共住宅団地の持続的環境移行におけるプロセスデザインの計画的研究
Project/Area Number |
14550602
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森永 良丙 千葉大学, 工学部, 助教授 (90312933)
|
Keywords | 団地再生 / 合意形成 / 居住者参加 / 公共住宅 / 建て替え / 高齢社会 / コミュニティ / 持続型居住 |
Research Abstract |
本研究は、公共住宅団地を居住者の参加を伴いながら再生するための計画的要件と有効性を明らかにしようとするものである。 1.高齢居住者の持続的居住の要件 建替えを迎えた公団賃貸住宅団地の事例を対象にアンケート調査を実施し、居住の実態と意向を分析した。高齢者の生活環境の視点から再生計画の基本方針を導き出し、それを元に公団の全面建替え型再生計画を評価した。そこでは、居住空間の確保、身近な生活支援の活動の体制と仕組みづくり、新旧/老若の属性を持つコミュニティの混成といった再生計画に関する基本方針の有用性を検討し、公団の物的環境計画は一定の評価ができるが、人的環境計画、特に高齢者の自立した暮らしを維持するための基盤づくりにより多くの検討の余地があることが明らかとなった。 2.コミュニティ形成を促す公共住宅建替え計画 古い公共住宅団地がかかえる問題と建替え計画に関して、社会資本の解読、関係する主体(居住者・事業主体・地域社会、専門家等)の協働プログラム、物的環境と人的環境の相互を視野に入れた計画の必要性を検討した。一つは、高齢者の生活支援の場がハードとソフトをセットにしてプログラムされた居住者参加型集会施設計画過程を評価し、コミュニティベーストプランニングの意義を明らかにした。二つは、団地の建替え前後における高齢者の日常的コミュニケーションの変化を考察し、住棟・共用・住戸計画の在り方を検討した。そこでは住戸近傍空間での交流の減少、共用空間でのその増加傾向が明らかとなった。 3.公共住宅団地再生計画のプロセスデザイン 居住者を主体とした持続的環境移行の視点から、公共住宅団地の属性や課題の差異性と共通性を把握し、再生計画のプロセスデザインの有効性と今後の課題を、本研究の3年間の成果をもとに検討し明らかにした。
|
Research Products
(5 results)