2003 Fiscal Year Annual Research Report
セル・オートマトン法による地方都市解析モデルの構築と地理情報システムの活用
Project/Area Number |
14550616
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
友清 貴和 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70150539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 安光 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00305153)
本間 俊雄 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60311883)
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Keywords | セル・オートマトン / 地理情報システム / 複層化 / 人口移動 / 解析システム |
Research Abstract |
本研究では、地方都市に対する解析モデル構築の基本的考え方として複層化セルオートマトン法(以下複層化CA)を用いている。このため、複層化CAとGIS(地理情報システム)の融合を図り、汎用性を有した都市解析システムを考える。GISによるシステム化は、正確な地域情報の把握と利便性を高め、広範囲における都市の解析が可能であることは昨年度の研究で明らかにした。しかし、本解析モデルの解析対象範囲を都市全域に拡大して適用した際の、解析モデルや解析結果の信頼性を確立するには至っていない。 このため、本年度は、複層化CAとGISを利用した地方都市の解析システムを開発し、実際に鹿児島市全域(114セル)をモデルとする小規模な地域ごと(町丁別)の人口推計による都市解析を行った事例を示し、解析対象範囲を拡大したときの複層化CAによる都市解析モデルの評価・考察を行なった。同時に類似都市として、長崎市と大分市の人口データを入手し、Excel上に入力しGISとリンクさせモデルを構築した。 本年度の解析手順は以下の通りである。(1)複層化CAとGISによる解析システムを開発(2)GISを用いた詳細な行政区域毎の人口・面積を集計ならびに、解析対象範囲とセルの設定。(2)過去25年間の人口データ、出生率・死亡率及び転出入率を初期値とした解析モデルの構築。(3)1975年から2000年までの5ステップ25年間をシミュレート期間とした人口分布の変化予測。(4)解析結果の有効性を確認するために、再現性が時系列で確認できる「評価値」という数値値的な指標を用い解析結果と統計[実]データを比較した、適合度の高いパラメータパターンを抽出。(5)解析結果の考察。なお本年度は、市(解析対象範囲内)全体の人口転出入を考慮し、新たに「内外移動補正」ルールを設定した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 本間 俊雄: "複層化セル・オートマトンによる地方都市の解析モデル"日本建築学会計画系論文集. 第568号. 93-100 (2003)
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[Publications] 雪丸 久徳: "GISを用いた複層化セルオートマトンによる地方都市の解析(その1)基本的な考え方とシステム化"日本建築学会大会学術講演梗概集2003年大会(東海). F-1. 867-868 (2003)
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[Publications] 吉原 昌也: "GISを用いた複層化セルオートマトンによる地方都市の解析(その2)鹿児島市への適用例"日本建築学会大会学術講演梗概集2003年大会(東海). F-1. 869-870 (2003)
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[Publications] 友清 貴和: "GISを用いた複層化セルオートマトンによる地方都市の解析"鹿児島大学工学部研究報告. 第45号. 39-44 (2003)
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[Publications] 雪丸 久徳: "複層化セルオートマトン法と地理情報システムを利用した都市の解析-鹿児島市の事例-"日本建築学会研究報告,九州支部,計画系. 第43号・3(印刷中). (2004)