2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550617
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 紀江 前橋工科大学, 工学部, 助教授 (10295454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20251324)
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Keywords | 高齢者 / 日常記憶 / 場所記憶 / 痴呆症 / 錯誤行動 / 回想 / 法地域 / 高齢者施設 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者の地域環境や生活環境における「記憶」のうち特に場所に関する記憶について実証的に考察することを試みた。高齢期には身体機能の低下で外出機会の減少や、記憶自体の低下などに起因する場所と行動との齟齬による問題が起こることがある。これらは当事者のQOLを低くするものであるが、本研究はこれらの問題に対する何らかの解決を見出す事を目的の根底に据えている。ところで、本研究が対象とする記憶は記憶研究の中でもいまだ研究蓄積の薄い「日常記憶」にあたる分野である。そのため初年度は日常記憶を中心に既往研究調査等に力を注いで知識を充実させるとともに、具体的な実験、調査の手法、分析の開発および準備を積み重ね、本年度の本調査へと展開させた。調査は、(1)地域環境の中での「場所にする記憶」の保持状況、(2)痴呆性高齢者の環境行動と「場所に関する記憶」について行った。(1)については、都市の中で物理的環境状況が保たれている地域に居住する高齢者「東京都根津、長期居住者を対象)の「場所」を中心とした日常記憶にいて、現在の街の状況を撮影した写真を見ながらのインタビュー形式で調査を行った。この手法は昨年度の知見(文1)から確定したものである。現在、居住場所や場所の記憶に関する情報の整理、分析をGIS関連のソフトを用いるなどして行っている。また、「場所記憶」と「回想」の関係について考察を行った(文2)。また、高齢者の記憶状況と発話の調査の比較対照サンプルとして、前橋市内の大学に通う学生を対象とした写真による同様の調査を行った。(a)の調査は、プレ調査の後、特別養護老人ホーム2施設、グループホーム3施設を対象として行った。この調査では痴呆症状を持つ高齢者にしばしば見られる「錯誤行動」を取り上げ、個々人の「場所に関する体験的記憶」との関連を検討した。入居者による施設内での日常生活における環境と行動との齟齬(錯誤行動)について、各施設スタッフへの事前アンケートの後、訪問して実地調査及びスタッフへのヒアリングを行った。場所についての個人的な記憶の影響による錯誤の他、場所に関する従来的な習慣が「錯誤」に繋がりやすい場所の存在などが示唆された。 以上調査の結果については、平成16年度日本建築学会大会で口頭発表を行う他、人間・環境学会誌等への論文発表の準備を現在行っているところである。 尚、本研究で得られたデータの取り扱いは慎重を期しており、成果の発表等各場面においても協力者のプライバシーに対する配慮は十二分に行う。文1)写真を用いた回想法について 古賀紀江、横山ゆりか 前橋工科大学紀要 6号 2003 文2)次ページ研究発表の欄参照
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 古賀紀江, 横山ゆりか: "高齢者の場所の記憶と回想 既成市街地居住者を対象としたケーススタディ"前橋工科大学研究紀要 第7号. 第7号. 127-130 (2004)
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[Publications] 古賀紀江, 横山ゆりか: "場所の記憶と回想 高齢期における場所記憶の研究1"日本建築学会大会学術講演梗概集2004 北海道. (印刷中). (2004)
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[Publications] 横山ゆりか, 古賀紀江: "高齢者居住施設で観察される痴呆性高齢者の錯誤と環境 高齢期における場所記憶の研究2"日本建築学会大会学術講演梗概集2004 北海道. (印刷中). (2004)