2002 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル経済化のもとでのアセアン大都市圏周縁部の居住形態の変動の形成メカニズム
Project/Area Number |
14550629
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
福島 茂 名城大学, 都市情報学部, 教授 (10251349)
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Keywords | 居住形態 / アセアン大都市圏 / 経済のグローバル化 |
Research Abstract |
平成14年度は、アセアン大都市圏(バンコク、クアラルンプール)の1980年代から今日にいたるまで、(1)社会経済構造(産業構造、就業構造、教育水準)、(2)人口動態、(3)労働市場、(4)所得分布・家計構造から、社会経済構造の近代化の過程を関連統計データ、既往研究成果から明らかにするとともに、(5)グローバル経済への接合(貿易・直接投資・海外資金の流入動向)と重層的に分析することで、「グローバル経済化-産業化-社会経済構造の変動」の関係構造を分析した。バンコク大都市圏及びクアラルンプール大都市圏では、1980年代後半以降の急速な工業化と就業構造のフォーマル化が進みんでいる。開放経済政策をとるなかで直接投資が進み、工業化や産業化が急速に深化した。また、教育水準も急速に改善しつつある。こうしたなかで新中間層が台頭し、消費や新しいライフスタイル形成の牽引力となりつつある。一方、インフォーマルな経済も就業人口からすれば厳然として存在し、フォーマル経済就業層との経済格差は拡大しつつある。また、低所得階層の住宅事情の底上げはみられるものの、地価・住宅価格が上昇する中でアフォーダビリティは十分改善していない。 本年度末にマレーシアのクアラルンプール大都市圏の実態調査を予定している。今回の調査では、大都市圏周縁部における都市・住宅開発動向と住宅市場の動向を調査し、また、「居住形態に関する世帯アンケート調査」の準備調査を行う予定である。主な調査項目は、(1)社会経済属性と就業・家計の変動(産業化やアジア経済危機のインパクト)、(2)居住履歴と転入・住居選択理由、(3)住環境(所有形態、構造材質・住宅タイプ、敷地・床面積、部屋数、ユーテイリテイ、インフラ)、(4)通勤事情、(5)住宅費・住宅取得・改善方法(購入額・資金調達方法、ローン返済額、家賃を含む)、(6)住宅の将来計画などである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福島 茂: "アセアン4都物語:経済のグローバル化への接合と揺れ動く都市居住"SRIO NEWSLETTER. No.325. 1-4 (2002)
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[Publications] 福島 茂: "タイにおける国土空間計画の消失と地方分権化"人と国土. 27-6. 47-48 (2002)
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[Publications] 福島 茂: "インドネシアにおける民活型低コスト住宅政策の経験と政策的含意"名城大学総合研究所総合学術論文集. No.1. 48-58 (2002)