2002 Fiscal Year Annual Research Report
階層的メゾスコピック表面構造を組込んだ太陽光エネルギー変換膜の創製
Project/Area Number |
14550651
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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Keywords | 太陽光吸収膜 / 傾斜機能膜 / 凹凸表面 / メゾスコピック構造 / 超微粒子 / エネルギー変換膜 / プローブ顕微鏡 / 波長選択性 |
Research Abstract |
本研究では膜成長に特有の自己組織化メゾスコピック構造(サブミクロンスケールの凹凸表面構造、ナノスケールの超微粒子・超薄膜構造)の個々の機能を融合した階層的メゾスコピック構造を創りだし、高効率太陽光エネルギー変換システム膜を創製し評価することを目的としている. 本年度は、まず純Al及びAl-Nスパッタ膜の成膜を系統的に行った.成膜条件として膜厚d=50〜700mm、基板温度T_<sub>=303〜413K、Ar+N_2導入ガス中のN_2ガス圧力比C_<N2>=0.0〜13%、スパツタガス圧力P_<tot>=3〜50mTorrの範囲で設定して実験を行った.そして本科研費により購入したプローブ顕微鏡により、表面形態プロファイルの定量的測定を行い、凹凸表面形状因子を分析した.膜厚あるいは基板温度増加に伴い、表面凹凸の高さ頻度分布の半値幅が増加し、表面突起の幅と高さが増大した。一方C_<N2>を変化させると、膜の色が白(C_<N2>=0.0%)から黒(C_<N2>=6.0%)を経て透明(C_<N2>=13%)へと変化した.白色膜(C_<N2>=0.0%)では凹凸の幅と高さが揃い、黒色膜(C_<N2>=6.0%)では凹凸の幅も高さも不揃いとなり、そして透明膜(C_<N2>=13%)では表面の平坦性が実現していた。更に表面凹凸の高さ頻度分布を調査すると、C_<N2>増加に伴いその分布を変化させていた。スパッタガス圧力p_<tot>を3から50mTorrへと変化させた場合には、膜の色が灰(Ptot=3mTorr)から黒(Ptot=10mTorr)を経て透明(Ptot=50mTorr)へと変化した。これらの膜の凹凸は、灰色及び黒色膜(Ptot=3〜20mTorr)の幅及び高さが不揃いになっており、これに対して透明膜(Ptot=50mTorr)の表面は平坦のままであった。また上記の凹凸表面にナノ構造を組込むためのAg, Au, Pt等のナノ構造の光学特性を評価した.更に赤外線反射膜としてのITO成膜の条件出しを行なった.
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