2002 Fiscal Year Annual Research Report
異なる骨格構造を持つゼオライトの誘電特性とマイクロ波加熱特性-実測と理論的検討
Project/Area Number |
14550666
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大串 達夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70126928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕久 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10215832)
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Keywords | ゼオライト / マイクロ波 / 誘電 / 吸収効率 / カチオン / サイト |
Research Abstract |
本年度の研究では、申請課題の基礎となるA型ゼオライトの特性を中心に調べた。 A型ゼオライト中のサイトIII上のカチオンがマィクロ波吸収に大きな役割を果たしているらしい、という事を申請者らはこれまでに提案してきた。しかしその事を直接的に示す証拠はまだ得られていなかった。そこで、サイトIII上にカチオンを持つNa_<12>-AゼオライトとK_<12>-Aゼオライトについて、先ず誘電的な検討を行った。Na_<12>-Aやゼオライトについてはこれまでに誘電測定がなされている。それに関する考察から、測定された誘電特性はサイトIII上のカチオンの運動を反映したものであると考えている。この考えを、特徴あるカチオン分布を持つK_<12>-AやK_<10>Ca_x-Aについて誘電特性を測定しカチオン挙動を調べ、確認した。 次に、Na_<12>-Aの誘電特性を詳細に解祈し、その結果を用いていろいろな温度でのマイクロ波周波数領域の誘電特性を推定した。この推定値を用いてマイクロ波吸収効率を計算した。一方、サイトIII上にカチオンを持たないNa_<12-2x>Ca_x-A (x=1-4)の組成について、誘電特性を測定・解析・計算し、マイクロ波吸収効率を求めた。マイクロ波吸収効率の点では、Na_<12>-AとNa_<12-2x>Ca_x-A (x=1-4)の間に大きな相違があった。 Na_<12>-AとNa_<12-2x>Ca_x-A (x=1-4)の組成のゼオライトについて、現在マイクロ波加熱特性を測定している。まだ測定途中であるが、Na_<12>-Aが容易に高温まで加熱される条件下でもNa_<12-2x>Ca_x-A (x=1-4)は高温に達しないと言う結果が得られつつある。この事から、Na_<12>-AとNa_<12-2x>Ca_x-A (x=1-4)の間には、マイクロ波加熱特性に大きな相違がありそうである。 以上の事から次のことが言えそうである。 1.A型ゼオライト同士(同種ゼオライト同士)の比較では、マイクロ波吸収効率の計算結果は、マイクロ波加熱特性の測定結果をよく説明できる。 2.A型ゼオライトのマイクロ波加熱において、サイトIII上のカチオンがマイクロ波吸収に大きな役割を果たしている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tatsuo Ohgushi: "Unusual hydration behavior of relaxation loss in KA zeolite"Royal Soc. Chem., Commun.. 1714-1715 (2002)
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[Publications] Tatsuo Ohgushi: "Relaxation Movements of Potassium Ion in Dehydrated K-A Zeolite"2nd FEZA conference, Taormina, Italy. 048 (2002)
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[Publications] Tatsuo Ohgushi: "Microwave heating of hydrated zeolites and application of zeolite as a domestic"Int. Conf. on Mater. Advan. Tech.(ICMAT-2003). (accepted). (2003)