2003 Fiscal Year Annual Research Report
反応性テンプレート粒成長法によるチタン酸バリウム系セラミックスへの粒子配向付与
Project/Area Number |
14550670
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 敏夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70090040)
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Keywords | 結晶配向 / 粒子配向 / テンプレート / 粒成長 / チタン酸バリウム / 反応性テンプレート粒成長法 / フィラー |
Research Abstract |
本年度は、溶融塩法で合成した板状Ba_6Ti_<17>O_<40>およびBi_4Ti_3O_<12>粒子を用い、反応性テンプレート粒成長法によりそれぞれ<111>および<100>配向した高密度・高配向BaTiO_3の作製条件を検討した。 <111>配向BaTiO_3の調製では、スラリー作製時の粉体粒子の凝集挙動を調べ、粉体粒子が良く分散したスラリーの作製法を確立し、配向付与の再現性を高めた。また、この研究過程で、テンプレート粒成長法により粒子板状Ba_6Ti_<17>O_<40>粒子がBaTiO_3へ<111>配向付与できることを見出し、配向付与の機構を明らかにした。 <100>配向BaTiO_3の調製では、緻密化と配向付与に及ぼすフィラーの影響を明らかにした。フィラーを添加することにより焼結密度は高くなるが、フィラー粒径(0.1、0.3、0.5μm)により緻密化挙動が異なった。フィラーの効果は成形体中の大きな隙間を埋めることにより生じるが、隙間を埋める効率が粒径に依存する。最適な粒径は0.3μmであった。一方、フィラーの配向度に及ぼす影響では複雑な挙動を示した。フィラーの少量の添加では配向度は低下するが、50%以上の添加では高配向度となった。Bi_4Ti_3O_<12>とBaCO_3との反応でBaTiO_3が生成するが、その間に生成する中間生成物の挙動が配向度を決めることが分かった。また、焼成中に試料に軽い重しをのせることにより焼結密度が飛躍的に高くなった。 以上の研究により、高密度・高配向度の<111>および<100>配向BaTiO_3の作製に成功し、密度と配向度に及ぼすプロセス・パラメータの影響を明らかにできた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Sugawara, M.Shimizu, T.Kimura, K.Takatori, T.Tani: "Fabrication of Grain Oriented Barium Titanate"Ceramic Transaction. 136. 389-406 (2003)
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[Publications] T.Kimura, Y.Miura, H.Muramatsu: "Mechanisms of Texture Formation in Ferroelectric Ceramics Made by Templated Grain Growth Method"Extended Abstract in 11^<th> US-Japan Seminar on Dielectrics and Ferroelectric Ceramics. 347-350 (2003)