2004 Fiscal Year Annual Research Report
低温硬化型複合材料の過酷環境下における疲労挙動の研究
Project/Area Number |
14550676
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
下河 利行 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (90336529)
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Keywords | 低温硬化複合材料 / 開繊平織物 / 脱オートクレープ真空成形 / 過酷環境 / 静強度 / 疲労強度 / 疲労損傷 |
Research Abstract |
本研究は炭素繊維/高分子樹脂複合材料の一層の普及を目標とし、脱オートクレープ・真空成形、低コストプリプレグを使用した積層材料を研究対象とした。研究目的は、この材料の室温およびエポキシ系高分子樹脂に苛酷環境である100℃近傍における静強度と疲労強度を調べることである。これにより、低コスト炭素繊維複合材料の実用性を評価する。同時に、疲労の過程における損傷を調べ、破壊して寿命に達するまでの損傷進行の様子を明らかにする。この評価は、最終破壊に到るまでにどのような損傷を許容できるかと言う実用的検討を行う観点から重要である。供試材料は三菱レイヨン製の12K開繊平織TRK180M炭素繊維/1053エポキシ樹脂積層材料である。本年度に実施した項目は、(1)積層繊維角度(0/90)のみの積層材料に対する常温引張強度と圧縮強度、(2)円孔を有する準等方積層材料に対して、室温と110℃の環境下において、圧縮-圧縮、引張-圧縮の疲労試験を実施し、温度依存性を調査、(3)圧縮-圧縮、引張-圧縮の疲労過程において、円孔内壁と試験片側面の損傷を観察、(4)最大応力説とTsai-Wu則を使用して、3次元応力空間における初期破損基準曲面の推定、等について研究した。以上から、本材料は織物材料特有ではあるが、引張荷重によって層間剥離を引起し易い。引張繰返し荷重では高い強度を維持できるが、圧縮繰返し荷重が負荷される場合には強度が大きく低下する。すなわち、圧縮荷重が負荷されるような条件下での使用には、十分注意を要することを明らかにした。またオートクレープ成形でないことの懸念については、一部に空孔のある箇所も見られたが、製造工程を工夫することにより、克服できると考えられた。
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Research Products
(1 results)