2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱CVD法による鉄膜の析出速度と結晶粒構造に及ぼす強磁場勾配印加効果
Project/Area Number |
14550680
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 昇 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (70166924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚司 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00111253)
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Keywords | 鉄 / 化学気相析出 / 強磁場 / 磁場勾配 / 膜構造 / 結晶配向 / ガス流動 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成15年度においては、主にコンピュータシミュレーションによる数値解析を行い、前年度において得られた実験結果に関する理論的な検討を行なった。注目した現象は、「磁場勾配下に位置する原料気化器においては、磁場の増加により原料の消費量が増加する」ということである。 本年度の研究においては、まずこの原因は、気化器内に設置された塩化鉄粉末は、気化すると直ちに強力磁場勾配下に曝される。この位置においてガス(塩化鉄+アルゴン)に作用する磁化力の影響で、反応器上方向へガスの流動が加速されるというメカニズムである。この考え方に基づいたガス流動モデルを立てた。この影響に関して定量的な把握を試みた。 計算モデルにおいては、軸対称円管領域内のガス(塩化鉄+アルゴン)流動を考慮した。水素の存在に関しは今回考慮しなかったが、これは気化器出口から離れたノズルの先端位置での混合挙動であり、塩化鉄の重量減少への影響が小さいと考えたからである。この点に関しては今後検討を行なう必要があると考えられる。 計算においては、ガス物性値の温度変化、磁化率の温度変化を考慮し、反応器壁の温度分布および磁場勾配の実測値をインプットした。今回のガス流動シミュレーションは市販ソフトウエアFluentを用いて行った。この結果、気化器出口におけるガス速度が、実験条件範囲において最大2倍程度も上昇することが分かり、原料減少量の磁場印加依存性に関して、半定量的に現象の説明をすることができた。前述のように今後は、反応器内に存在する水素の影響、およびそれぞれのガス濃度分布に関し、更に詳細な研究を行う必要があるが、本年度の研究により同プロセスにおけるガス流動に及ぼす強磁場勾配の影響に関する研究基盤を作ることができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Yoshikawa, H.Baba, T.Endo, I.Mogi, S.Taniguchi, S.Awaji, K.Watanabe: "Effect of Magnetic Field Imposition on Thermal CVD Process of Iron Crystals"Proc.4^<th>Int.Conf.on Electromagnetic Processing of Materials (EPM2003), Lyon, France, Oct.(2003). CD-ROM. (2003)