2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550700
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
三浦 博己 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30219589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 拓 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017364)
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Keywords | 超微細粒 / 強ひずみ加工 / 熱的安定性 / 第二相粒子 / 動的回復 / 鉄合金 |
Research Abstract |
強ひずみ加工による結晶粒超微細化は金属材料の強化とともに靭性を向上させる有効な方法である。しかし、結晶粒超微細化はひずみエネルギー増大により熱的安定性を損ない、温間あるいは高温域では強度低下が起こりやすい。この問題に対し、第二相粒子を分散させ熱的安定性向上を図り、しかも強ひずみ加工中に第二相粒子の周りに微細組織が形成されるという、第二相粒子を母相強化だけでなく組織微細化そのものに利用しようとする手法が考えられる。そこで本研究では、第二相粒子を含む材料に強ひずみ加工を施し組織微細化と母相強化、さらには熱的安定性を持ち合わせた金属を創製することを目的とし、加工中の組織微細化に及ぼす第二相粒子の影響も調査した。 実験は以下の方法で行った。まず、析出強化型オーステナイト系ステンレス鋼の熱間圧延材を、軸比1.5:1.22:1の矩形状試験片を切り出し、圧縮試験機を用いて、温度673Kおよび873K、ひずみ速度一定3.0×10^<-3>s^<-1>で多軸多段階圧縮変形を行った。その後、温度973Kにて焼鈍を行い、ビッカース硬さ試験、光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡による微視組織観察を行った。 結果のようにまとめられた1)超微細組織の形成と発達に微細な第二相粒子は特に貢献しない。しかし、ひずみ6では結晶粒径が約0.3μmの超微細粒が得られた。 2)整合粒子は回復を妨げるため強ひずみ加工による均一な組織微細化に不都合であるが、強度維持と熱的組織安定性に極めて重要な効果を持つ。 3)動的再結晶が起こらない条件下で、低温側よりも高温側で試験した方が等軸状の超微細組織が得やすかった。これは超微細粒形成に高転位密度境界の動的回復が大きく影響しているためと考えられた。
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Research Products
(1 results)