2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550702
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
竹下 晋正 福井大学, 工学部, 教授 (50126637)
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Keywords | マイクロ接合 / 抵抗ろう接 / 継手強度 / 継手品質 / 熱解析シミュレーション |
Research Abstract |
1.マイクロ構造部材の接合に用いる2段抵抗ろう接システムを構築した.本システムの特徴は,(1)2個の小型マイクロ・スコープとX-Y-Z軸ステージを組み合わせた精密位置決め機構,(2)微小バネとマイクロ・メータを組み合わせた微小加圧機構(3)ホール素子電流検出器を用いた抵抗ろう接時の高速応答型電流モニター部(4)FET制御式定電圧印加型電源部を備えている点にある. 2.線径100μmのステンレス鋼の間に箔状の銀ろうを挟み込み,2段抵抗ろう接を行った.1回目の抵抗ろう接時には,設定電圧まで3msで直線的に通電電圧を増加させた後,3msで直線的に通電電圧を降下した.2回目の抵抗ろう接では,2Vまで3msで直線的に通電電圧を増加させた後,2.8Vで5msの間通電した.1回目の抵抗ろう接時の設定電圧を1Vと適切にすることで,ろう材と母材との初期電気的接触状態がより均一になり,その結果2回目の抵抗ろう接時に継手に流れる電流のバラツキが低減し,かつ良好な形状のろう接継手が得られた.しかしながら継手強度のバラツキは大きく,強度の低い継手の破断面には酸化物の存在が認められた.継手強度のバラツキを低減し,強度の低い継手の出現を抑制するには,ろう材を変更し,かつ不活性ガス雰囲気中で抵抗ろう接を行う必要がある. 3.2段抵抗ろう接時の継手部加熱状態を予測するために,熱解析プログラムを作成した.熱解析シミュレーションから,継手部の加熱過程はろう材と母材との初期電気的接触状態に影響を受け,母材の局部的な融解を避けるには,ろう材と母材との初期電気的接触状態の均一化が重要なことが判明した.
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