2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550702
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
竹下 晋正 福井大学, 工学部, 教授 (50126637)
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Keywords | マイクロ接合 / 抵抗ろう接 / ジュール発熱 / 継手強度 / 継手品質 |
Research Abstract |
直径100μm,長さ20mmのSUS304ステンレス鋼シャフトの一端をバフ研磨後,それぞれの端面に厚さ6.5μmの金メッキと厚さ3.5μmの銅メッキを施したステンレス鋼シャフトを突合せて,2段抵抗ろう接を行った.抵抗ろう接時には,加重22gfでシャフトを加圧し,かつ突合せ部にアルゴン・ガスを流量3.5L/minで吹き付けて酸化の軽減を図った. 1段目の抵抗ろう接時には,設定電圧の1.5Vまで3msで直線的に通電電圧を増加させた後3msで直線的に通電電圧を降下させる操作を2度行った.この操作の目的は,(1)局所的な接触箇所を通電加熱によって融解し,シャフト端面に施したメッキ層間の電気的接触状態の均質化を図ることと,(2)2段目の抵抗ろう接時に適切な加熱を実現するために,シャフト端面に施したメッキ層間の接触抵抗値Rを得ることにある.接触抵抗値Rは,ピーク電圧値(設定電圧値:1.5V)をホール素子型電流検出器で測定したシャフト間に流れた電流の最大値Ipで除した値とした. 2段目の抵抗ろう接時には,設定電圧Vhまで3msで直線的に通電電圧を増加させた後,設定電圧Vhで時間thの間保持し,0.5msで直線的に通電電圧を降下させた.時間thは,4.25,4.75,5.50msの3通りとした.設定電圧Vhの値は,1段目の抵抗ろう接で得られる接触抵抗値Rと時間th,および継手部で発生させるジュール発熱量Hを基にした設定電圧Vhの予測式を用いて決定した. 時間thを4.25msとして2段抵抗ろう接を20回実施した.そのうち17本の継手で引張試験が行え,平均引張強さは1029MPaであった,時間thが4.75msの場合は,20本のうち17本の継手で引張試験が行え,平均引張強さは872MPa,時間thが5.50msの場合は,20本のうち15本の継手で引張試験が行え,平均引張強さは901MPaであった.
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