2002 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造を考慮した焼結クラック予測モデルの構築と積層粉末成形体の最適理論設計
Project/Area Number |
14550704
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
品川 一成 香川大学, 工学部, 助教授 (30215983)
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Keywords | 焼結 / 構成式 / 有限要素解析 / 傾斜機能材料 |
Research Abstract |
モデル材料としてアルミナ/ステンレス鋼系混合粉末を用い,焼結実験による単独粉末成形体の微細構造,焼結特性および積層粉末成形体におけるクラック発生挙動の調査を行った.さらに有限要素法による応力解析を行った. 1.単独粉末成形体による不均一内部構造と焼結挙動の調査 アルミナ粉末(0.25,0.37μm)とステンレス鋼粉末(5.7μm)の混合率(0,20,40,60,80,100%)を変えた粉末成形体を作製し,これらを1100〜1300℃で焼成し,細孔分布および焼結収縮率を計測した.混合粉末ではステンレス鋼粉末の隙間をアルミナ粉末が埋めることで大きな気孔が消滅し,中程度の大きさの気孔ができ,その分布は混合率によって変化することがわかった.また,焼結と共に中程度の気孔が一度大きくなる場合もあり,混合による不均一な気孔構造が焼結収縮のアンバランスに影響していることを明らかにした. 2.積層粉末成形体による積層条件と焼結欠陥発生挙動の調査 層数,厚さを変えたアルミナ/ステンレス鋼傾斜積層粉末成形体を焼成し,クラック発生状況を観察した.積層数が多い場合は最上部のアルミナ100%層表面に多数のクラックが発生した.ルミナ層の厚さを増すと,表面クラックはなくなるが,代わりに剥離を生じることがわかった. 3.有限要素法による焼結解析 焼結中の傾斜積層粉末成形体に発生する内部応力を計算した結果,積層数が多い場合は最上部のアルミナ層に引張応力が発生し,これは基盤層とのミスマッチ応力の他,そりによる曲げ応力が寄与していることを明らかにした.アルミナ層が厚い場合は曲げ応力は減少するが,層境界外周部に発生する軸方向引張応力により剥離が起こりうることがわかった.
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Research Products
(1 results)