2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波H_2Oプラズマによる高分子材料の分解・再合成機構の解明と制御
Project/Area Number |
14550711
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
堤井 信力 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (70061512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 茂 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80097170)
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Keywords | マイクロ波放電 / H_2Oプラズマ / 高分子材料の分解 / プラズマ合成 / OHラジカル / アルコール / エタノール / CO_2 |
Research Abstract |
本年度の研究は、分解に関与する粒子種の計測と、再合成された物質の同定及びプラズマ條件との関連について検討を行った。粒子種の計測には、既有設備の分光システムを用いたが、生成物の同定には本研究補助金によって購入したガスクロマトグラフを用いた。実験は1〜6Torr範囲の水プラズマ中で、2〜3mm程のPET微粒子を試料として行われた。その結果: 1.試料分解中のプラズマからは、CH(431.0nm)、CO(483.5nm)、C_2(516.5nm)の強い発光が観測されたが、逆にO(844.6nm)、OH(306.4nm)の発光は減少した。特にOH発光の減少は著るしく、OHが試料分解に寄与する主要ラジカル種であることを示している。 2.コールドトラップで回収した水溶液中の生成物は、主に炭素数1〜5までのアルコール、エタノール、2-プロパノール、2-ブタノール、3-ペンタノールなどであった。試料の位置をプラズマの外周から中心部へ移動するにつれて、これら生成物の相対量が減少する。これは、高濃度のプラズマ中では、分解がさらに進んで、多くがCO_2などの気体に変化放出されるため、水溶液中の生成物の量が減るものと思われる。 次年度は、生成物の放電條件依存性を検討するとともに、気体状生成物の回収及び固定などについても実験、検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 菅沼, 小野, 堤井: "マイクロ波H_2Oプラズマを用いたポリエチレンの分解処理"電気学会論文誌A. 122A-5. 454-460 (2002)
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[Publications] S.On, S.Teii: "Surface treatment of plastic film by using an atmospheric pressure corona torch"Proceedings of HAKONE VIII. 2. 431-435 (2002)
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[Publications] 高山, 小野, 堤井: "大気圧コロナトーチによるプラスチックの表面改質"電気学会論文誌A. 122A-8. 722-728 (2002)
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[Publications] 原木, 小野, 堤井: "白金細線を用いたプラズマ中酸素原子密度センサーの開発"平成14年電気学会基礎・材料共通部門大会論文集. 85-90 (2002)
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[Publications] 滝沢, 小野, 堤井: "大気圧コロナトーチによるPETの表面改質"平成14年電気学会基礎・材料共通部門大会論文集. 100 (2002)
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[Publications] S.Ono, S.Teii: "Decomposition Processing of the Waste Plastic by Microwave H_2O Plasma"Proc. of Int. Symposium on Microwave Science and its Application to Related Fields. 120-121 (2002)