2003 Fiscal Year Annual Research Report
AEの検出に基づく溶融Zn-5Al合金めっき鋼板の腐食速度の"その場"測定
Project/Area Number |
14550714
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
羽木 秀樹 福井工業大学, 工学部, 教授 (40117213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 敦義 福井工業大学, 工学部, 教授 (40288337)
柴田 俊夫 福井工業大学, 工学部, 教授 (90001205)
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Keywords | 腐食速度 / アコースティック・エミッション / その場測定 / 亜鉛合金めっき鋼板 / 腐食過程 / 溶存酸素濃度 / pH / 塩素イオン |
Research Abstract |
塩素イオンを含む水溶液環境に浸漬した際の溶融Zn-5Al合金めっき鋼板の腐食過程を調べた。試料には、溶融Zn-5Al合金めっき鋼板(ノンクロメート品、めっき付着量93g/m^2)を用いた。これらの鋼板を適当な形状に切断した後、試料端面の腐食が無視できるように、その個所を被覆した。腐食初期の耐食性評価のために、動電位法による分極曲線の測定を行った。また、腐食過程を調べるために、液温298K、大気開放状態のNaCl水溶液に試料を浸潰して、(1)デジタルレコーダを利用した腐食電位の経時変化の測定、(2)デジタルカメラを装着した実体顕微鏡による試料表面の連続観察、(3)腐食速度の"その場"測定を目的としたAE(アコースティック・エミッション)の検出、(4)電気化学的インピーダンスの測定を行い次の結果を得た。(1)3%NaCl水溶液中でのZn-5Al合金めっき鋼板の初期の腐食反応は、Znの優先溶解と水素発生反応に支配されている。また、Clイオン濃度が小さくなってもそれら腐食の主反応は変わらないが、腐食速度は小さくなる。(2)3%NaCl水溶液中でのZn-5Al合金めっき鋼板を浸漬すると、局部腐食が起こり、銀白色から黒色へと変化する領域が現れ、他の部分には白いコロイド状の腐食生成物の形成が認められた。この腐食生成物は塩基性塩化亜鉛であると推測された。また、腐食が進行すると、気泡の発生が認められ、これは水素ガスと推測された。(3)腐食進行に伴って腐食電位は-1.0V(vs.Ag/AgCl)から-0.6Vにまで移行し、その経時変化は、(i)局部腐食領域の拡大、(ii)下地鋼板の露出、(iii)めっき皮膜の消失、(iv)腐食生成物の保護皮膜作用によって説明できた。(4)試料表面からの水素気泡脱離をAEによって検出できるので、水素発生を伴う腐食の場合には、AE法によって腐食速度の"その場"測定できることがわかった。また、Zn-5Al合金めっき鋼板の腐食速度をAE法によって測定できた。(5)腐食によってインピーダンスが小さくなり、その経時変化から耐食性(腐食速度)を評価できることがわかった。
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