2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能レーザー分光法にもとづく窒化炭素材料の水素量制御と電界放出素子への展開
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14550721
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 治彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70201928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80250984)
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Keywords | CNラジカル / 膜重量 / 付着確率 / レーザー誘起蛍光法 / アモルファスCN膜 / 高周波放電 / CH_4 / N_2系 / 高周波バイアス |
Research Abstract |
本年度は以下の(1)-(3)の研究を行なった。 (1)Arの放電フローとBrCNの解離励起反応で生成するCNラジカルについて、いろいろな圧力条件でレーザー誘起蛍光(LIF)分光法を用いてCN(X)状態の濃度および付着確率を決定した。実験は次のように行なった。Arの放電フローとBrCNをチャンバー上部のガラス管内で反応させ、生成したCNラジカルをチャンバー内に流し込んだ。Nd-YAGレーザー色素励起レーザーを照射し、CN(A-X)遷移の4-0、5-1、7-2バンドのLIスペクトルを観測した。Arのレイリー散乱光を用いてLIF強度を校正した。マイクロ波放電をパルス変調することにより各圧力における流速を測定した。次に、10×10mm^2のSi基板をチャンバー内のレーザー光路の真下に設置し、a-CN薄膜を4時間堆積させた。以上の実験をAr圧力0.4〜0.7Torrの範囲で変化させて繰り返し行った結果、0.4、0.5、0.7Torrにおける、,CN(X)濃度、CN膜重量および付着確率が表1のように決定された。 【table】 (2)CH_4/N_2混合気体のRF放電によるCN膜の生成について、CN(B-X)遷移の発光スペクトルの強度と膜の生成量との相関を調べた。実験には平行平板型高周波プラズマ発生装置を用い、全圧を1Torr、CH_4の分圧を0.2〜.0.8Torrに設定して発光スペクトルの測定とSi基板上への成膜を行った。その結果、CH_4の圧力増加と共にCNの発光強度は減少しCH_4分圧が小さいほど膜の生成量は大きくなるという結果が得られた。従って、CNラジカルの発光強度が大きいほどCN膜生成量は大きくなるという相関が見出され、CH_4分圧0.2Torrの時に膜生成量は最大となった。 (3)アモルファス窒化炭素薄膜生成のRFバイアス電圧印加について、高いAr圧力を用いてCNラジカルを高速堆積させることで、RFバイアス電圧80V以上での成膜が可能になり、同時にCN薄膜にスパッタリング効果が表れることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 伊藤治彦, 市村晋也, 並木恵一, 斎藤秀俊: "Absolute Density and Sticking Probability of the CN(X_2Σ^+) Radicals Produced by the Dissociative Excitation Reaction of BrCN with the Microwave Discharge Flow of Ar"Japanese Journal of Applied Physics. 42巻・11号. 7116-7121 (2003)
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[Publications] 伊藤治彦, 二木裕史, 並木恵一, 伊藤典子, 斎藤秀俊: "Hydrogenated Amorphous Carbon Nitride Films Formed from the Dissociative Excitation Reaction of CH_3CN with the Microwave-Discharge Flow of Ar : Correlation of the [N]/([N]+[C]) Ratio with the Relative Number Densities of the CH(A^2Δ)and CN(B^2Σ^+)States"Journal of Vacuum Science and Technology A. (印刷中).