2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱ポーリーングとレーザー光によるガラスへの光機能周期構造の形成
Project/Area Number |
14550725
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武部 博倫 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (90236498)
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Keywords | 酸化物ガラス / 硫化物ガラス / 光誘起 / ガラス形成 / 光ファイバ / 熱的安定性 / ガラス構造 |
Research Abstract |
初年度は熱ポーリングによるシリカガラスへの二次非線形光学活性層の形成とフェムト秒レーザーによる希土類ドープ非晶質硫化物薄膜へのマイクロレンズの光誘起高速形成について検討を行なった。今年度は将来的な光デバイスの実現を睨み、光ファイバ、平板型光導波路などの形成が可能な熱的安定性に優れる新規ガラス形成系の探索と評価を主に行った。 酎化物ガラスの中で低光弾性、アサーマル性(熱による光路長の変化がない)の特長を有するBaO-P_2O_5ガラス系に注目し研究を行なった。原料及びルツボ材からの不純物の影響を評価することで、BaO-P_2O_5二元系ではBaO含有量の増大とともに単調に光弾性定数が小さくなることを実験的に明らかにした。低光弾性定数(1x10^<-12>Pa^<-1>)を有する、BaO-P_2O_5ガラス(≧50 mol%BaO)では耐結晶化性に劣り、線引きプロセスで結晶化する傾向にあったが、少量(^-3mol%)のB_2O_3連添加することで結晶化が抑制され、ファイバ線引きが可能になることを見出した。 酸化物ガラスと比較して、光感受性(フォトセンシティビテイ)の顕著な硫化物ガラスにおいて、新規ガラス形成系の探索と基礎物性の評価及びガラス構造の解析を行なった。従来より硫化物ガラスの代表系としてGe-S二元系が知られるが、同系ガラスではガラス線引き過程で結晶化が起こり、ファイバ化は不可能であった。Sb-S二元系で溶融法によりガラス形成が可能であることを見出し、結果としてGe-Sb-S三元系ガラスが耐結晶化性に優れ、ファイバ化が可能であることがわかった。昨年度見出したRS-Ga_2S_3(R=Ca,Sr,Ba)系に第三成分を添加することで同系ガラスの熱的安定性への影響とガラス構造の変化について研究を行なった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Ishibashi, H.Takebe, K.Morinaga: "Glass Forming Region and Structure of Vitreous RS-Ga_2S_3(R=Ca, Sr, Ba)"Journal of Ceramic Society Japan. 111. 208-311 (2003)
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[Publications] T.Ishibashi, R.Kitagawa, M.Iwasaki, H.Takebe, K.Morinaga: "Photoinduced Microlens Formation in Non-Crystalline Sulfide Thin Films by a Femtosecond Laser"Journal of Ceramic Society Japan. 111. 291-293 (2003)
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[Publications] 因 浩之, 武部博倫, 森永健次: "BaO-P_2O_5ガラスの低光弾性特性"Journal of Ceramic Society Japan. 111. 426-429 (2003)
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[Publications] H.Takebe, T.Hirakawa, T.Ichiki, K.Morinaga: "Thermal Stability and Structure of Ge-Sb-S Glasses"Journal of Ceramic Society Japan. 111. 572-575 (2003)
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[Publications] H.Takebe, T.Ishibashi, T.Ichiki, K.Morinaga: "Nd Solubility in RS-Ga_2S_3(R=Sr, Ba) Glasses"Journal of Ceramic Society Japan. 111. 755-757 (2003)
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[Publications] 平川俊弘, 岩崎峰人, 武部博倫, 森永健次: "CaS焼結体の作製とキャラクタリゼーション"資源と素材. 111. 755-758 (2003)