2002 Fiscal Year Annual Research Report
非経験的分子軌道法によるダイオキシンの酸化物触媒分解機構の解明
Project/Area Number |
14550729
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
不破 章雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 光仁 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40333140)
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Keywords | dioxins / catalyst / ab initio MO |
Research Abstract |
ダイオキシン類の量大発生源である廃棄物焼却炉内の燃焼過程において、前駆物質(塩化フェノール及び塩化ベンゼンなど)を分解・減少させることにより、ダイオキシン生成量を抑制することが可能である。すなわち、前駆物質の分解反応機構を明らかにすることは、ダイオキシン類の抑制・分解技術設計において、極めて重要な知見である。 しかしながら、ダイオキシン類の実験解析は高精度、高コストを要求するために、本課題で採用する計算化学的手法によるアプローチが望まれている。 本年度は、非経験的分子軌道法を用いて、ダイオキシン前駆物質として最も有用視されている塩化ベンゼンのベンゼン環開裂反応の解析を試みた。具体的には、実験解析により反応機構が提案されているヒドロキノンの酸化分解反応解析から、類似構造を有するダイオキシン前駆物質1,4-ジクロロベンゼンのそれへと展開した。 その結果、以下に示す知見を得た。 (1)ヒドロキノン及び1,4-ジクロロベンゼンの酸化分解反応のエネルギープロファイルを作成し、その反応経路が酸化分解反応の素反応経路であることを示した。 (2)ヒドロキノン及び1,4-ジクロロベンゼンの酸化分解過程における電荷移動の違いから、置換塩素原子が酸化分解反応過程の反応性を低下させることを明らかにした。 これらの知見は、ダイオキシン類の前駆物質の脱塩素化がダイオキシンの毒性を抑制するだけでなく、前駆物質の骨格分解反応に対して有用であることを示している。
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Research Products
(1 results)