2003 Fiscal Year Annual Research Report
転相乳化化学粉砕法による発泡ポリスチレンを素材とした複合ナノパーティクルの調製
Project/Area Number |
14550733
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 眞人 新潟大学, 工学部, 教授 (40018495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勇雄 新潟大学, 自然科学研究科, 助教授 (00169921)
田口 佳成 新潟大学, 工学部, 助手 (30293202)
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Keywords | 複合ナノパーティクル / 機能性微粒子 / 転相乳化 / 化学粉砕 / 湿式複合化 / リサイクル / 液中乾燥 / 発砲ポスチレン |
Research Abstract |
本年度実施し、得られた結果は以下のようである。 (1)複合化するために必要なナノパーティクルの内部構造の制御法として、グリセリン水溶液を添加して(W/0)/W系を調整し、このグリセリン濃度と内部分散水滴の安定性を変化させることにより、モノコア、マルティコア、マトリックス型に制御できることを明らかにした。 また、連続相の安定剤として、ポリビニルアルコールを添加することにより、さらに微細な内部構造とすることが可能であることを明らかにした。この理由として、ポリビニルアルコールが内部グリセリン水溶液に拡散し、内部水滴の安定性を向上させ、結果として微細構造生成に寄与したことを明らかにした。 (2)細粒径化するための方法として、転相乳化させる際に、疎水性と親水性を呈する両親媒性溶媒を油相に添加することが著しい効果があることを明らかにした。すなわち、例えば、アセトンやイソプロピルアルコールなどの両親媒性溶媒を油相に添加して転相乳化させると、油相から外水相に物質移動が生ずる。このような物質移動により、油相/外水相間の界面エネルギーの著しい低下が起こり、結果として微粒化が促進される。このような方法により、パーティクルの粒径を、数百ナノメートルから、数ミクロンまでの範囲にわたり制御することが可能となった。 (3)異種物質との複合化について、PH応答性染料を担持したナノパーティクルを調製した。 すなわち、PH応答性染料を内部構造制御剤であるグリセリン水溶液に添加しておくことにより、微細構造表面に染料を担持したナノパーティクルを調製することが可能であることを明らかにした。この複合ナノパーティクルを、アンモニアガスを混入させた空気と接触させると、染料が変色することを確認した。したがって、このような複合ナノパーティクルの一つの応用分野として、外部刺激応答性塗料が極めて有効であることを提案した。 以上のことより、発泡ポリスチレンを素材とした高付加価値複合ナノパーティクルの調製法を確立することにより、プラスチックスの新規リサイクル技術を提案した。
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