2002 Fiscal Year Annual Research Report
クロマトグラフィーによる高性能遺伝子診断システムの開発
Project/Area Number |
14550739
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 修一 山口大学, 工学部, 教授 (80144921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 英二 富士レビオ株式会社, 検査薬開発部, 主任研究員
日野田 裕治 山口大学, 医学部, 教授 (10165128)
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Keywords | SNPs / DNA / クロマトグラフィー / 静電気的相互作用 / サイズ排除特性 / イオン交換クロマトグラフィー / 生体認識 / DNA二重鎖形成反応 |
Research Abstract |
遺伝子の変異や多型は人それぞれの特徴を表わすことが明らかとなりつつあり、特に高密度多型といわれる1塩基多型(SNPs, Sinlge Nucleotide Polymorphisms)は薬剤代謝の個人差や慢性疾患などが判別できると言われている。このような技術が完成すれば有効で副作用のない薬剤の適切な選択と投与が可能になり、いわゆるTailor made医療へとつながっていくと期待されている。本研究は1塩基多型(SNPs)のクロマトグラフィー分離における生体認識機構と移動現象を解析し、新規高性能クロマトグラフィー分離システムを開発することを目的とする。自動クロマト装置で直線塩濃度勾配溶出実験を行った。使用したカラムDEAE NPR (Tosoh)は非多孔性粒子陰イオン交換体である(内径4.6mm,長さ35mm,粒子径2.5μm)。直線塩濃度勾配溶出曲線でから溶出塩濃度I_Rと充填剤体積で規格化した勾配GHとの関係を求めた。勾配の傾きを変えた実験を行いGH-I_R曲線を作成し、曲線より吸着サイト数Bを求めた。 塩基数の増加とともに溶出塩濃度が高くなるとともにサイト数Bも増加した。また塩基数が10程度では、1塩基の変異で完全に分離できる場合も多く観察された。塩基数とともにほぼ直線的にサイト数が増加していることとタンパク質にくらべると分子量あたりのサイト数が多いことが特徴であった。タンパク質では環境のpHで吸着サイト数を制御できるが、DNAではほとんど制御できず、塩基数が大きくなるとサイト数も同様に大きくなり、溶出塩濃度も高くなる。この特徴を生かしたSNPs分離システムの構築が必要である。
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