2002 Fiscal Year Annual Research Report
界面鋳型重合法による新規吸着剤の開発と海水からのリチウム回収に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14550756
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
迫口 明浩 崇城大学, 工学部, 助教授 (30196141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 泰三 崇城大学, 工学部, 助教授 (40208533)
中塩 文行 崇城大学, 工学部, 教授 (70037729)
|
Keywords | リチウム / ポリマー吸着剤 / 界面鋳型重合法 / β-ジケトン / 協同効果 / フッ素 / 選択性 / 海水 |
Research Abstract |
本研究では、界面鋳型重合法を用いて多孔性ポリマー表面にリチウムイオンを認識する部位を構築し、リチウムイオンに対する選択性が高い吸着剤を新規に開発するための基礎的検討を行う。ところで、フッ素含有β-ジケトンと中性有機リン化合物の混合抽出剤によるリチウムイオンの抽出特性が、本研究グループによって既に開発されていた。そこで、本年度では、1)このフッ素含有β-ジケトンと中性有機リン化合物を機能性分子として用いて、界面鋳型重合法によりポリマー吸着剤を調製し、リチウムイオンの吸着特性を検討した。その結果、(1)フッ素含有β-ジケトンと中性有機リン化合物との協同効果が発現し、(2)ナトリウムイオンに対してリチウムイオンを選択的に吸着することが明らかになった。これらの結果は、フッ素含有β-ジケトンと中性有機リン化合物によるリチウムイオンの抽出特性の結果と同様な傾向を示した。得られた新規吸着剤に関しては、次年度においても重合条件等を検討する必要がある。さらに、2)フッ素含有β-ジケトンと中性有機リン化合物のリチウムとの錯形成部位を有する新しいフッ素含有二機能性抽出剤の合成を試みた。種々の合成ルートを検討したが、目的化合物は得られていない。反応条件、別の反応ルートを検討し、次年度さらに合成を試みる予定である。なお、3)フッ素を含有しない二機能性抽出剤の合成には成功した。この二機能性抽出剤によるリチウムイオンの抽出特性、および油水界面への吸着特性を実験および計算化学的に検討したところ、界面鋳型重合法によるポリマー吸着剤の調製で用いる機能性分子としての可能性がみられた。次年度において、よりリチウムイオンの抽出特性に優れたフッ素を含有しない二機能性抽出剤の開発を試み、ポリマー吸着剤への応用を展開する予定である。
|