2002 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化物系ナノ多孔体の合成とアルカン異性化反応に対する触媒特性の検討
Project/Area Number |
14550758
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 剛 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10199804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 寛敏 北見工業大学, 工学部, 助手 (70271757)
高橋 信夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20108187)
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Keywords | 酸化モリブデン / モリブデンブロンズ / 多孔体 / アルカン異性化 / 二元機能触媒 |
Research Abstract |
ZnとHCl水溶液を用いて調製したモリブデンブロンズH_XMoO_3、MoO_3、0.01mol%Pt/MoO_3を300-500℃で12時間水素還元し、表面積およびペンタン異性化活性を測定した。XRD測定より本研究で調製したブロンズはH_<1.68>MoO_3であることが示された。また、500℃で再酸化したときの酸素消費量から計算するとH_<1.55>MoO_3となった。 MoO_3の表面積は還元温度とともに増大し、350℃で180m^2/gと最大となった。しかし、400℃以上で水素還元した場合には表面積は30-40m^2/gと著しく減少した。これに対して、Pt/MoO_3およびモリブデンブロンズでは還元温度400℃で表面積が250m^2/gと最大となり、500℃以上でも100m^2/gの表面積を示した。表面積100m^2/g以上の試料は0.6-3.0nmの細孔を有する多孔体であることが示された。Pt/MoO_3およびモリブデンブロンズでの表面積の還元温度依存性は同一であった。以上のことより、多孔性の高表面積酸化モリブデンはモリブデンブロンズの還元で生成することが示された。 Pt/MoO_3およびモリブデンブロンズのペンタン異性化活性は還元温度とともに増大し、還元温度450℃で最大となった。これに対して、MoO_3では400℃以上で還元するとペンタン異性化に不活性となった。ペンタン異性化活性をMoの酸化数で整理したところ、水素還元したモリブデンブロンズの異性化活性は水素還元したPt/MoO_3と同程度であることが示された。このことは、Ptの役割はモリブデンブロンズの生成を促進することであり、異性化反応にはほとんど関与していないことを示唆している。水素還元したモリブデンブロンズは2-プロパノールの脱水、脱水素の両反応に活性を示し、二元機能を有することが明かとなった。
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