2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属含有シルセスキオキサンを用いる新しい有機・無機複合触媒材料の創製
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14550761
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 健司 京都大学, 工学研究科, 助手 (10243049)
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Keywords | シルセスキオキサン / 触媒材料 / 有機・無機ハイブリッド材料 / 固体酸触媒 / 炭化水素接触分解反応 / 分子内閉環反応 / 還化三量化反応 / 多孔質酸化物 |
Research Abstract |
新しい機能性材料の開発は様々な分野で重要な課題であるが、特に不均一系触媒の開発においては、細孔構造や活性点構造が随意に制御可能な、全く新しいタイプの材料の創製が求められている。 本研究は、シルセスキオキサンの半籠状構造を基本骨格として活用して、要求される機能に応じた最適な大環状・籠状構造を有する有機・無機複合分子を合成し、さらにこれらを構成部位とするナノ制御有機・無機複合材料の創製・機能開発を行うことを目的とする。本研究の結果、今年度は以下の成果を得た。 (1)新しいタイプの籠状シルセスキオキサンの合成は、材料化学および触媒化学において重要な課題である。本研究では、アセチレン部位を有する新規シルセスキオキサン合成し、さらにコバルト錯体触媒存在下、これらの分子内環化3量化反応によって、ベンゼン環を有する籠状シルセスキオキサンが収率52%で得られることを見出した。 (2)本研究では、シリル化を伴うアリルシラン類のカップリング反応に有効な均一系錯体触媒の探索を行い、その結果、ビスCp^*ロジウムジクロライド錯体/炭酸水素ナトリウム系触媒が、穏和な条件下でアリルトリエトキシシラン等のカップリング反応に高い活性を示すことを見出した。さらに、本触媒系をアリル基を複数有するシルセスキオキサンの分子内閉環反応に適用することによって、新規籠状シルセスキオキサンを高収率で得た。 (3)我々は、金属含有シルセスキオキサンを前駆体とする、新しいタイプの多孔質固体酸触媒の創製を検討している。本研究では、新規13族元素含有シルセスキオキサン合成し、さらに、これらを723Kから923Kで焼成することによって、Bronsted酸性を有し、約5.1Å径の均一に制御されたミクロ細孔のみからなり、330〜520m^2g^<-1>の比表面積を示す多孔質固体酸性酸化物を得た。特にアルミニウム架橋型シルセスキオキサンから得た酸化物触媒が、HZSM-5ゼオライトに匹敵する高いクメン低温接触分解活性を示すことを見出した。
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Research Products
(1 results)