2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空処理により表面改質した金属触媒によるジオレフィン類の選択還元反応
Project/Area Number |
14550762
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西山 覚 神戸大学, 工学部, 助教授 (00156126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市橋 祐一 神戸大学, 工学部, 助手 (20362759)
鶴谷 滋 神戸大学, 工学部, 教授 (00031120)
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Keywords | 超高真空処理 / ブタジエン / 水素化 / 昇温脱離法 / 酸化亜鉛 / 重水素 / 表面構造変化 |
Research Abstract |
酸化亜鉛表面上での水素の昇温脱離(TPD)スペクトル 酸化亜鉛(ZnO)を573Kで空気流中焼成した試料を出発物質として,通常の低真空下(LV【similar or equal】1Pa)所定温度で加熱排気した試料および超高真空下(UHV【similar or equal】10^<-7>Pa)で所定温度加熱排気した試料を調製した。それぞれの試料に室温あるいは433Kで水素あるいは水素+重水素等モル混合ガスを吸着させ,その後超高真空系で排気しながら室温から一定速度で昇温することでTPDスペクトルを得た。活性化吸着が起こる433Kで吸着させた表面からのTPDスペクトルは,酸化亜鉛を873KでUHV処理(873-UHV)することにより408,592,762Kに大きな脱離ピークが得られた。873K,LV処理(873-LV)した酸化亜鉛上では脱離ピーク強度は1/3以下であった。また,873-LV上に水素+重水素混合ガスを吸着させたTPDスペクトルでは,水素の解離を示すHD(m/e=3)の脱離はわずかに観察されたのみであったが,873-UHV上では強度で10倍以上のHDの脱離が観測された。これは,気相に生成するHDとも関係するがHD脱離量の差は,それを大きく凌駕するものである。UHV処理によって酸化亜鉛上に水素分子を容易に解離する活性サイトが新規に生成したことを直接明らかにした。 酸化亜鉛上でのブタジエンの昇温脱離スペクトル 水素の場合と同じく吸着ブタジエンのTPDスペクトルについても検討した。水素-重水素交換反応と異なりブタジエンの水素化反応では673KでのUHV処理で活性が著しく増大する。673-UHV試料について効果を検討した。UHV処理によってブタジエンの脱離量が増大し,別途測定した吸着量の変化と一致した。ブタジエン+水素混合ガスを吸着させたTPDスペクトルでは,673-UHVにおいてブタジエンの水素化による消失とブテンおよびブタンの脱離が観測された。一方,673-LVではブテンは観測されるもののブタンは全く脱離しなかった。共吸着実験からも水素化されやすい吸着ブタジエンがUHV処理によって増加していることが確かめられた。
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