2002 Fiscal Year Annual Research Report
制御されたナノ空間を有するファインケミカルズ合成用固体酸触媒の開発
Project/Area Number |
14550763
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
難波 征太郎 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (80114883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釘田 強志 帝京科学大学, 理工学部, 講師 (80225127)
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Keywords | Diels-Alder反応 / MCM-41 / メソポーラスモレキュラーシーブ / 固体酸プロセス化 / 固体酸触媒 / 細孔径制御 / 不飽和アルデヒド / シクロペンタジエン |
Research Abstract |
メソポーラスモレキュラーシーブであるMCM-41およびSBA-15の細孔径制御を行った。MCM-41の場合、細孔径を1.5〜5.0nmの範囲で精密制御できることが明らかになった。また、構造の規則性は低下するが、有機助剤の添加により細孔径を約10nm迄拡大できることが判明した。一方、SBA-15の場合、有機助剤の添加により細孔径を43nmまで拡大できることが判明した。 シリカMCM-41にAlを添加して固体酸を発現させる研究を行った。添加法の違いにより固体酸触媒特性が大きく異なることを見いだした。強い酸点を必要としない反応では、ゼオライトに匹敵する活性を有する触媒を調製することが可能であることを見つけた。 Diels-Alder反応は、通常ルイス酸であるAlCl_3、BF_3やZnCl_2などのハロゲン化合物が触媒として用いられている。反応は均一系で行われており、一度使用した触媒は中和してから分離・廃棄されている。さらに、選択性が低い場合、多量の副生成物も廃棄しなければならない。このような現状は21世紀における地球環境を考えた「ゼロエミッション」の思想に反している。そこで、細孔径を調節し、さらにAlを添加して固体酸性を発現させたMCM-41を触媒として用い、不飽和アルデヒドとシクロペンタジエンのDiel-Alder反応を行った。その結果、最も活性の高かったAl添加MCM-41触媒の活性は、AlCl_3と同等の活性を示すことがわかった。また、不均一系触媒であるので、容易に分離でき再使用が可能であった。
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