2003 Fiscal Year Annual Research Report
耐低温性水素発酵菌による有機性廃棄物からの省エネルギー型水素生産
Project/Area Number |
14550773
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
横井 春比古 宮崎大学, 工学部, 教授 (00253815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 遵 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60264363)
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Keywords | 水素発酵 / 水素発酵菌 / 水素生産 / Clostridum / 耐低温性 |
Research Abstract |
耐低温性水素発酵菌を用いて、有機性の廃水廃棄物等を原料にして水素を生産できる省エネルギー型水素生産プロセスを開発するために、本年度は、前年度に分離した耐低温性水素発酵菌Clostridium sp. E-73の生成するα-アミラーゼの生産条件と酵素学的特性と、有機性廃棄物の澱粉粕を原料とする低温条件下での水素生産特性について検討を行ったところ、以下の研究結果が得られた。 1.耐低温性水素発酵菌の生成する酵素の特性評価 Clostridium sp. E-73によるα-アミラーゼ生産のための最適な培養条件は、培養pH5.5、培養温度35℃であった。電気泳動的に単一な状態まで精製したα-アミラーゼの分子量は、約73kDaであった。酵素活性における至適pHは4.5、至適温度は45℃であり、本酵素は0℃の低温条件でも最大活性時の約5%の活性を示すことが分かった。また、精製α-アミラーゼはpH4.5から5.5の酸性域および40℃以下の温度下で安定であった。さらに本酵素の活性は、EDTA、Ag^+、Hg^+およびCu^<2+>の存在下で著しく低下することが明らかとなった。 2.有機性廃水廃棄物での連続水素生産試験 澱粉粕に窒素源としてコーンスティープリカーを添加すると、Clostridium sp. E-73が良好に水素生産できることが分かった。さらに、Clostridium sp. E-73とEnterobacter aerogenes HO-39の混合培養下での反復回分培養による連続水素生産を行うと、培地中に還元剤を入れなくても水素を生産でき、12℃から15℃の低温条件下でも1.0から1.2mol-H2/mol-glucoseの収率で水素を生産できることを明らかにした。
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