2004 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高倍率濃縮分離システムの構築による環境水の革新的分析に関する研究
Project/Area Number |
14550777
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
五十嵐 淑郎 茨城大学, 工学部, 教授 (70150258)
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Keywords | 均一液液抽出法 / 青綿 / 固層抽出 / 環境ホルモン / 多環芳香族化合物 / キャピラリー電気泳動 / TRICOM / 超微量分析 |
Research Abstract |
本年度は、本研究課題の最終年度に当たるため申請者が前年度開発したTriplex concentration system(TRICOMと命名)の実用サンプル分析への応用と分析システムとしての評価を中心に検討を行った。 1.河川水中の多環芳香族化合物(PAHs)の超微量分析 コットン固相抽出法の一つである青綿法を組み入れ、かつ河川水中のPAHsに照準を合わせた濃縮分離システムとして青綿法/均一液液抽出法/CEオンライン濃縮法を開発し、使用した。サンプリングから分析結果を出すまでの全操作時間は1時間以内、最大濃縮倍率は、1,000万倍(20L→2μl)である。河川水としては、茨城県日立市内を流れる宮田川においてサンプリングを行った。環境ホルモン:ベンズピレンをはじめとする数pptレベルのPAHsを検出・定量できた。これは、環境省が提唱するGC/MS法による基準検出下限値10pptを下回る濃度レベルの環境ホルモンを分析したことになる。本法は、既存の環境評価法に一石を投じるものである。 2.TRICOM法の評価 TRICOM法は試料が比較的大量である環境試料に対して画期的な分析技術となった。今後、様々な環境試料(大気、河川、海水、土壌など)に適用可能であり超微量成分の実用分析法としても広範囲に応用されていくものと期待できる。 本研究課題期間中では、本課題のコンセプトに基づく自動分析装置の開発だけは、実現に至らなかったが、近い将来、その実現の可能性も極めて高いと予想される。
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Research Products
(3 results)