2003 Fiscal Year Annual Research Report
フルカラー表示のための芳香族スピロ構造をもつ耐熱性有機EL材料の開発
Project/Area Number |
14550789
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 真 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30144124)
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Keywords | 表示素子 / 有機EL / ELデバイス / ホール輸送材 / 発光材料 / 芳香族 / スピロ構造 / ジベンゾクリセン |
Research Abstract |
次世代の表示素子である有機ELは、フルカラー表示の商業化が始まる中で、用いられる材料のさらなる長寿命化が求められている.このため、本研究は、耐熱性及び非晶質性に優れた材料として、特に芳香族の構造を三次元的なスピロ構造に組み入れた新規物質を開発してきた.最終年度の成果を述べる。 (1)積層型有機EL素子の耐熱性向上のために、我々はテトラフェニルベンジジン誘導体の二量体化物および三量体化物を多数開発してきた.EL特性は、いずれも標準以上であり、特にガラス転移温度の向上は、我々独自のアプローチができた.即ち、耐熱性のコア分子に非晶質性の自由回転分子を結合させるという分子設計法は特筆されよう.ただし、総合論文の投稿は2004年中までにしたい。 (2)芳香族スピロ構造と関連する我々独自のジベンゾクリセンの化学は進展できた.これの含窒素アナローグを一例ながら合成でき端緒を作れた(2004年秋学会発表予定)。 (3)スピロビフルオレンの基となるフルオレンの化学を活用して、新規な縮合型ポリフルオレンを考案し合成できた(2004年春学会発表).これの発光材料としての応用を企業との共同研究で行なうところまでこぎつけた. 本研究の投稿論文3編を挙げる。New 9-Fluorene-type Trispirocycles for Thermally Stable Hole Transport Materials in OLEDs, M.Kimura et al., J.Mater.Chem.Utilization of an Aromatic [4.4.4]Propellane for Thermally Stable Hole Transport materials in OLEDs. M.Kimura et al., Synth.Metals.Application of Novel 9,9-Dialkylated Fluorene Oigomers to Thermally Stable Hole Transport Materials in OLEDs, M.Kimura et al., in preparation.
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