2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト光化学の開拓:吸着分子のカチオン-π相互作用および拡散運動の解明
Project/Area Number |
14550796
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
橋本 修一 群馬工業高等専門学校, 一般教科・自然科学系, 教授 (70208445)
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Keywords | ゼオライト / 光化学 / 吸着 / 拡散 / 蛍光 / 結晶 / 芳香族 |
Research Abstract |
光化学的手法を用いてゼオライトに吸着された有機分子の吸着状態や拡散運動とそれに基づく化学反応を調べることを目的として研究した。本研究では、ゼオライト結晶間の分子移動とそれに基づく化学反応を、主として発光により視覚的および分光的に調べることを目的として、研究をおこなった。すなわち、光学顕微鏡を用いて、大気下で、サンプル加熱をおこない、透過像、発光像および発光スペクトルなどを観測しながら、分子移動の直接観測を試みた。そして、より精密な分子移動の観察をおこなうため、加熱操作の排除、少数のゼオライト粒子を基盤に配置する方法の開発、発光の時間・空間的変化の観察をおこなった。その結果、結晶同士が接触した状態で室温でも分子の移動や移動の結果としての反応が観測できることがわかった。移動の時間変化および距離依存性も観測された。たとえば、chrysene (Chry)/Na^+-XからTl^+-XへのChryの移動やChry/Na^+-XとTCNB/Na^+-Xとを接触させた場合のChryの移動によるCT錯体の形成が観測された。このことは結晶同士が接触した状態では分子は細孔間移動と同様のメカニズムで結晶間を移動することを示唆する。さらに、Chry/Na^+-XとTCNB/Na^+-Yとを接触させた場合TCNBの移動が観測されたNa^+-XとNa^+-Yの化学的性質を比較すると、Na^+-YよりNa^+-Xの方が電子供与性が大きいため電子受容性のTCNBと強く相互作用すると予想される。従って、TCNBはNa^+-Yとの吸着相互作用が小さいため、動きやすくなっていると考えられ、ゼオライトの化学的性質が吸着分子の細孔間移動に影響を与えているものと思われる。以上、精密観察により、結晶間分子移動の方向性がゼオライトの性質と結び付けられることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Hashimoto: "Zeolite Photochemistry : Impact of Zeolites on Photochemistry and Feedback from Photochemistry to Zeolite Science"J.Photochem.Photobiol.C : Photochem.Reviews. 4・1. 19-49 (2003)
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[Publications] S.Hashimoto, J.Kiuchi: "Visual and spectroscopic demonstration of intercrystalline migration and resultant photochemical reactions of aromatic molecules adsorbed in zeolites"J.Phys.Chem.B. 107・36. 9763-9773 (2003)
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[Publications] S.Hashimoto: "Fluorescence microscopy investigation on the manipulation of guest species in zeolites"Res.Chem.Intermed.. 30(in press). (2004)