2003 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン-ハイドロタルサイト複合体の徐放特性
Project/Area Number |
14550804
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津波古 充朝 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60068335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 太郎 大阪大学, 総合学術博物館, 教授 (50107083)
中山 尋量 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40189080)
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Keywords | シクロデキストリン / ハイドロタルサイト / 徐放特性 |
Research Abstract |
三年計画の初年度の昨年は、ゲスト分子としてスルホン化α-シクロデキストリン、スルホン化β-シクロデキストリン、ホスト化合物としてMg-Al型ハイドロタルサイトを用いてシクロデキストリン-ハイドロタルサイト複合体の合成条件の検討および得られた複合体のキャラクタリゼーションを行い、シクロデキストリンはその空洞をハイドロタルサイトの平面層が蓋をするような形で存在しており、徐放性製剤のホストとしては、問題を残した。 そこで、中間年度の本年度は、これを克服するためにスルホン化シクロデキストリンよりも負電荷密度が小さく、薬物のDDS carrierとしての実用化の可能性が最も高いといわれているSBE7-β-シクロデキストリンを用い、ハイドロタルサイトとの複合体の合成条件の検討および得られた複合体のキャラクタリゼーションを行った。 インターカレーション反応は塩素型ハイドロタルサイトを用いたイオン交換法によりスムーズに進行することがわかった。その最適反応条件は、pH9,室温,8mM,1hであった。 得られた複合体をXRD,solid-state NMR,Raman,Fr-IRによりキャラクタリゼーションを行った。層間距離は、2.20nmで、シクロデキストリンは、分解を受けることなく層間に保持されていることが、NMR,Raman,FT-IRなどの結果より明らかとなった。これらのことからシクロデキストリンは、その空洞をハイドロタルサイトの層間の隙間の方に向けた構造をとっており、徐放性製剤のホストとして適した構造の複合体の合成に成功した。 次年度は、得られた複合体へのモデル薬物の包接実験を行うとともに、その徐放性についても検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aki Hayashi: "Adsorption of Phenols by Alkylamine-intercalated Layered Zirconium Phosphate"Bull.Chem.Soc.jpn. 75・9. 1991-1996 (2003)
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[Publications] Hideko Inoue: "Stereoselective Phosphorylation of Branched Cyclodextrins with Inorganic cyclo-Triphosphate"Carbohydr.Res.. 338・20. 2067-2074 (2003)