2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14550809
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
益山 新樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30157218)
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Keywords | 両親媒性ヒドロペルオキシド / 硫化ベンジルの酸化 / ゲラニオールのエポキシ化 / ミセル水溶液系酸化反応 / 機能性界面活性剤ミセル / Oxone / 両親媒性ケトン / リスクミニマム酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では、それ自身が酸化剤あるいは酸化反応促進剤として機能する新しい両親媒性過酸化物群を創製し、それらの水中でのナノレベル分子集合体による種々の有機基質の酸化反応を精査し、適用範囲や反応特異性などを明らかにすることを通じて、環境保全ならびに作業安全性に関してリスクミニマムである、水媒質中での酸化反応システムを創出することを目的としている。今年度の研究業績は、次の3点に要約される。 1,両親媒性α-アルコキシアルキルヒドロペルオキシド(α-AHP)による水中での酸化反応プロトコールの確立 我々が創出したα-AHPによる水中での硫化ベンジルの酸化ならびにゲラニオールのエポキシ化反応を精査し、添加する金属錯体の種類、反応系のpHなどの最適条件を明らかにした上で、効率良くゲラニオールのレギオ選択的エポキシ化が進行するミセル水溶液反応システムのプロトコールを確立した。これらの一連の成果はLangmuir誌上で発表した。 2.両親媒性ヒドロペルオキシドの構造と反応活性の関係の精査 汎用非イオン界面活性剤であるアルコールエトキシレートを基点として、両親媒性構造の親水基末端、疎水基末端、それらの連結部にヒドロペルオキシ基を組込んだ分子を設計・合成し、それらによるゲラニオールのエポキシ化を検証した結果、疎水部末端にヒドロペルオキシ基を有する酸化剤が最も高機能性を発揮することを見出した。その原因について、ミセル粒径、ミセル会合数などの情報をもとに考察を進めた。その成果は日本化学会第84春季年会(2004年3月)で発表した。 3.リスクミニマムOxone酸化反応システムの創製 安価で取扱いが容易であるOxoneを酸化剤として用い、新たに開発した両親媒性ケトンをミセル形成剤とする水中での反応システムで、非常に効率良くアルケンのエポキシ化が進行することを見出した。その成果の一部は、IKCOC-9国際会議(2003年11月)で発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Masuyama, K.Fukuoka, N.Katsuyama, M.Nojima: "New Protocol for Oxidation in Water : Micellar Oxidation Systems Composed of Novel Amphiphilic Hydroperoxides"Langmuir. 20(1). 82-89 (2004)