2004 Fiscal Year Annual Research Report
隣接二金属中心を有する遷移金属触媒の創製とその合成反応への応用
Project/Area Number |
14550816
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 祥雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 直史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292240)
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Keywords | パラジウム / C-H結合活性化 / 二核錯体 / アルキン / 芳香族化合物 |
Research Abstract |
前年度までに、新規窒素-りん複合四座配位子(Hdpfam)を有する様々な二核金属錯体を合成し、その中で、ヒドロキソ架橋二核パラジウム錯体Pd_2Tol_2(μ-OH)(μ-dpfam)がトリアルキルボラン存在下、芳香族化合物のC-H結合のアルキンへのcis-付加反応の触媒としてはたらくことが見出された。本年度はこの反応について以下の研究・調査を行った。 1.予想される触媒サイクルの各素反応を錯体の量論反応により確認し、本反応の反応機構解明を行った。二核金属ヒドリド種が活性中間体と推定された。ここで得られた知見を触媒設計にフィードバックし、より高い活性を持つ触媒を開発するここができた。 2.種々の官能基を有する芳香族化合物の反応性を検討し、置換基の電子的性質やかさ高さが本反応に与える影響を調査するとともに、本反応の一般性と限界について明らかにした。 3.sp^2炭素を有するオレフィン類についてC-H結合活性化を試みたところ、スチレン誘導体に活性が認められ、アセチレンへ選択的にcis付加するという新反応を見出した。 4.ヘテロ原子を含む芳香族化合物(チオフェン、ピロール、フラン)のC-H結合活性化を検討し、アルキンへのcis-付加反応が起こることを新たに見出した。 5.新規ロジウム二核錯体の合成に成功し、これを触媒とするヒドロホルミル化反応を検討した。
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