2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖を基本骨格とするキラル補助基並びに多点制御キラル配位子の開発と不斉合成への応用
Project/Area Number |
14550823
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 巌 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 哲也 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90209099)
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Keywords | ホスホン化糖 / 不斉補助基 / Diels-Alder反応 / ジアステレオ選択的 |
Research Abstract |
Diels-Alder反応は新規な炭素炭素結合形成反応、及び6員環形成反応において非常に有用な反応の1つである。また、糖を用いた不斉補助基は今までにも報告されているが、糖にリン原子を位置及び立体選択的に導入した不斉補助基の実験例は殆ど報告されていない。本研究ではPhosphinoyl化糖を基本骨格とする新規な不斉補助基を基質である3,4,6-Tri-O-Benzyl-D-Glucalから3段階の官能基変換により合成した。その不斉補助基を用いてacryloyl esterを合成し、得られたacryloyl esterと様々なDienesとの不斉Dicls-Alder反応を行ったところ高収率、高ジアステレオ選択的にDiels-Alder付加物を得る事が出来た。 例えば、Lewis酸にMe_3Alを用いた場合、反応は進行しなかったがEtAlCl_2を用いた場合、シクロペンタジエンとのDiels-Alder反応スムースに進行し対応するDiels-Alder付加物が収率86%、ジアステレオ選択性96%deで得られた。また、他のジエン類との反応でも78〜95%deで付加物が得られた。これらの付加物の絶対配置は、相当するカルボン酸に変換し、既知物質の比旋光度と比較することにより決定した。なお、これらの結果は現在学会誌に投稿中、もしくは投稿するべく執筆中である。
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