2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550828
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Research Institution | AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武内 亮 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00216871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛塚 智子 青山学院大学, 理工学部, 助手 (30365019)
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Keywords | イリジウム / π-アリルイリジウム / イリダシクロペンタジエン / アリル位アルキル化 / 付加環化 / アレン / 多置換ベンゼン |
Research Abstract |
本研究は、イリジウム錯体触媒による高選択的合成反応の開発を目的として行った。π-アリルイリジウム中間体を経由する合成反応として、1,1-disubstituted-2,3-butadienyl acetateのアリル位アルキル化反応を検討した。1,1-Disubstituted-2,3-butadienyl acetateの酸化的付加によって、1-ビニリデン-3,3-二置換π-アリルイリジウム中間体が生成する。マロン酸ジエチルのナトリウムエノラートは、3位のアリル炭素でのみ反応した。1-(1,2-Propadienyl)cyclohexyl acetateとマロン酸ジエチルのナトリウムエノラートを[Ir(cod)Cl]_2/dppe触媒によりTHF還流下1時間反応させると、アセトキシ基が置換した生成物が収率85%で得られた。本反応を用いてアレンのα位に四級炭素を構築することができた。次にイリダシクロペンタジエン中間体を経由する合成反応として、アセチレンジカルボン酸ジメチル(以下DMADと略す。)とモノインとの高選択的交差付加環化反応を検討した。DMAD 2mmolと1-hexyne 1.2 mmolを[Ir(cod)Cl]_2/dppe触媒によりトルエン還流下1時間反応させるとDMAD 2分子と1-hexyne 1分子が反応して得られるtetramethyl 5-(n-butyl)-1,2,3,4-benzenetetra carboxylate が収率98%で得られた。1-Hexyne以外の種々の官能基を有する末端アルキンや内部アルキンとDMADの反応も良好に進行し、2:1交差付加環化体が高収率で得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Takeuchi, Y.Nakaya: "Iridium Complex-Catalyzed Highly Selective Cross[2+2+2] Cycloaddition of Two Different Monoynes:2:1 Coupling versus 1:2 Coupling"Organic Letters. 5(20). 3659-3662 (2003)
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[Publications] 武内 亮(分担執筆), 玉尾皓平(編著): "有機金属反応剤ハンドブック(執筆)"化学同人. 260 236-240 (2003)